揉み消す(読み)モミケス

デジタル大辞泉 「揉み消す」の意味・読み・例文・類語

もみ‐け・す【×揉み消す】

[動サ五(四)]
火のついたものをもんで消す。「タバコの火を―・す」
自分都合の悪い事件うわさなどが表沙汰になるのを、手段をつくして抑える。「スキャンダルを―・す」
強大なものが、圧倒するような力で他のものを消し去る。「言葉周囲騒音に―・された」
[類語]消す消し止める消火する鎮火する掻き消す吹き消す消える

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「揉み消す」の意味・読み・例文・類語

もみ‐け・す【揉消】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 火のついたものを揉んで、消す。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「青べか」(出典:青べか物語(1960)〈山本周五郎〉)
  3. それより強大なものが圧し消す。
    1. [初出の実例]「操音にもみ消(ケ)される言葉を続けてゐたが」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)
  4. よくない事件や悪いうわさなどが世間に知られたり広がったりしないように手段を尽くして抑える。
    1. [初出の実例]「自分の味方と思ふ人に不利益である様な言論が出た場合に、之れを圧制して揉消(モミケ)すとかいふ様な事があっては」(出典:東京学(1909)〈石川天崖〉九)
  5. 激しく攻撃して、うち滅ぼす。
    1. [初出の実例]「テキヲ ヒトカッセンニ momiqesu(モミケス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

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