デジタル大辞泉
「揉む」の意味・読み・例文・類語
も・む【×揉む】
[動マ五(四)]
1 両手の間に挟んでこする。また、両手をこする。「錐を―・む」「茶を―・む」「塩でキュウリを―・む」
2 からだを触れ合わせるようにして押し合う。また、激しく揺り動かす。「人込みに―・まれながら歩く」「御輿を―・む」
3 指で包みこむようにして握ったり、てのひらで押したりする。あんまをする。「肩を―・む」
4 大きな浴槽の中の湯を、厚板などを使って激しくかき回す。浴槽の湯温を均一にするために行う。「湯を―・む」
5 激しく議論をする。「委員会で―・んだ議題」
6 相手になって教えてやる。「一番―・んでやろう」
7 (「もまれる」の形で)世間に出ていろいろの経験をする。「実社会で―・まれて成長する」
8 気をいらいらさせる。いらだたせる。「気を―・む」
9 激しく攻める。
「追靡け、七八度が程ぞ―・うだりける」〈太平記・一〇〉
10 数珠を擦り合わせて、仏に強く祈る。
「乳和して護摩にたき、黒煙をたててひともみ―・まれたりければ」〈平家・八〉
11 むち打つなどして馬を急がせる。
「―・めども―・めども、一所にて躍る様なり」〈義経記・四〉
[可能]もめる
[動マ下二]「もめる」の文語形。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
も・む【揉】
- [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
- ① 両手に挟んで強くこする。また、手や物をこすり合わせる。
- [初出の実例]「小螺(しただみ)を い拾ひ持ち来て〈略〉辛塩に こごと毛美(モミ)」(出典:万葉集(8C後)一六・三八八〇)
- 「両手にて葉を揉みながら」(出典:幼学読本(1887)〈西邨貞〉五)
- ② ( 「数珠(ずず)をもむ」意から ) 仏に強く訴える。転じて、何かを強要したり、激しく責めたてたりする。
- [初出の実例]「思ふ事したにもまるるまろすずの露ばかりだにかなはましかば」(出典:頼政集(1178‐80頃)下)
- ③ 大勢がからだを強く触れ合わせるようにして押し合う。また、激しく攻める。
- [初出の実例]「因て兵を縦ちて乗(モム)で、数百(ももあまり)の人を殺しつ」(出典:日本書紀(720)仁徳五三年五月(前田本訓))
- ④ 馬を鞭打ちなどして急がせる。
- [初出の実例]「早打の長馳したる馬の、終夜軍には責めたりけり。もめ共もめ共、一所にて躍る様なり」(出典:義経記(室町中か)四)
- ⑤ からだをはげしく動揺させる。
- [初出の実例]「さて、為手のひとりもむ所有」(出典:申楽談儀(1430)定まれる事)
- ⑥ (かついでいるみこしを)激しく上下などに揺り動かす。
- [初出の実例]「ワッショイワッショイと御輿を揉(モ)むことがなかなかに行はれて居るやうで有る」(出典:東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉五月暦)
- ⑦ (大きい浴槽などで、熱い湯を)激しくかきまわして温度をさげる。「湯をもむ」
- ⑧ 意見を出し合って議論をかさねる。
- [初出の実例]「閣議に持出したら何日ももんだあげくに『五町歩』とこの日の最後の閣議〈略〉の夜決まってしまった」(出典:日本の土(1955)〈読売新聞社会部〉第一案に涙の農相)
- ⑨ 握ったり指先で押したりする動作をくり返す。あんまをする。
- [初出の実例]「件の按摩は心得て、軈(やが)て後に立ち廻り、肩より腰へと按(モ)みかくるを」(出典:人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)六)
- ⑩ ( 「気をもむ」「臓をもむ」などの形で ) 気持を激しく動揺させる。いらだたせる。
- ⑪ 運動などで、相手になって鍛えてやる。また、苦労を経験させて鍛える。→もまれる。
- [初出の実例]「暑中稽古の道場でもんでやるというおどかしではなかったのだ」(出典:炎の中の鉛(1962)〈中薗英助〉六)
- ⑫ 相場が小さな変動をくりかえして、定まらない。〔取引所用語字彙(1917)〕
- [ 2 ] 〘 自動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒もめる(揉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 