政所村(読み)まんどころむら

日本歴史地名大系 「政所村」の解説

政所村
まんどころむら

[現在地名]月夜野町政所

現月夜野町の東南端、利根川左岸に位置。沼田町と三国街道を結ぶ越後往還が通る。永禄六年(一五六三)九月一日の猪俣邦憲判物(写、「吉田系図」所収)で、吉田政重に年貢納入を申付けたなかに「七十貫文 政所」が含まれる。慶長一九年(一六一四)の真田信幸朱印状(岡村博文氏所蔵文書)は、家臣出浦昌相・大熊勘右衛門に対し政所の欠落百姓を還住させ、不作地は井を開いて耕作させるよう命じている。寛文郷帳によると田方六六石余・畑方六二石余、沼田藩領。寛文三年(一六六三)の真田領村高書上控では高五八二石余。宝永元年(一七〇四)の沼田領村々石高書上では高二八九石余、反別は田一七町五反余・畑一八町七反余。天和元年(一六八一)沼田藩主真田信利が改易された。


政所村
まんどころむら

[現在地名]芸北町政所

宮地みやじ村の東から南に位置し、掛頭かけず山の東麓にあたる。大佐おおさ川上流に沿う標高約六六〇メートルの高地に集落が広がる。北は荒神原こうじんばら村、東は中祖なかそ村、西は東八幡原ひがしやわたばら村とも接し、北西は雲耕うずのう村。元和五年(一六一九)の安芸国知行帳に「満所村」とみえるが、「国郡志下調書出帳」によれば、のち政所村と改められ、「往昔都より菅家何某当村下り留り給ひし故政所村と唱候由申伝候」とある。村高は前記知行帳に高八七・七〇六石とあるが、同書出帳によれば慶長六年(一六〇一)の検地高一〇四・四〇六石から、のち下り高一〇石が引かれて九四・四〇六石となり、寛延三年(一七五〇)より定免六・六二に定められた。


政所村
まんどころむら

[現在地名]八幡町政所

法連寺ほうれんじ村の西にあり、北は上星川かみほしかわ(現酒田市)。江戸時代には政所名まんどころみよう村ともいい、一五世紀初期の末代の日記(市条八幡神社文書)に「しんてんハ七百かり、まところみめう」、長享三年(一四八九)書写の一条八幡宮祭礼日記(同文書)には「神田ハ七百刈、政所名まんところみやうニアリ」とみえる。元和八年(一六二二)の酒井氏知行目録には政所名村とあり高一五一石余。寛永元年庄内高辻帳にも政所名村とあり高一三四石余。


政所村
まどころむら

[現在地名]大分市政所・曙台あけぼのだい一―三丁目

横田よこた村の南東に位置し、北半は別府湾に臨む海岸平野、南半は丹生にゆう台地。集落の多くは北半分の浜堤列上にあり、村内を伊予街道が通る。「肥後国誌」によると「月ケ平村・ナカライ村・岩屋村・此間村・綿打村」などの小村がある。文禄二年(一五九三)丹生検地帳(渡辺家文書)によれば、政所村の高二四〇石余、うち田高一五八石余・畑高八二石余、村位は上。江戸時代を通じて肥後熊本藩領で関手永のうち。


政所村
まどころむら

[現在地名]竹田市植木うえき

挟田はさだ川中流にあり、南西荻迫おぎさこ村。おか城下から一里。正保郷帳では長田ながた郷に属し、田方一二三石余・畑方五六石余で、柴山有と注記される。植木組の主邑で、組大庄屋が在村。「豊後国志」は村名を植木とし、一名を政所というとする。


政所村
まどころむら

[現在地名]荻町政所

滝水たきみず川の支流馬渡まわたり川の南、標高五五〇メートル前後の台地平坦部に水田と畑地が展開する。正保元禄・天保の各郷帳に村名がみえない。貞享二年(一六八五)には葎原組に属し、村位は下、高一六九石(農民一揆)。弘化物成帳では葎原組のうち、村位は下、免三ツ九分、田一石余(一反余)・畑一六六石余(三六町七反余)・屋敷一石余(一反余)で、開田はなく、開畑六石余(一二町三反余)がある。


政所村
まどころむら

[現在地名]竹田市太田おおた

篠尾ささのお村から倉木くらき村に至る道に沿い、北は長田ながた村、南は倉木村おか城下から二里一三町。正保郷帳では倉木郷に属し、田方一〇八石余・畑方四七石余で、柴山有と注記される。弘化物成帳では太田組のうち、村位は中、免八ツ九分、田一〇六石余(九町四反余)・畑五四石余(八町七反余)・屋敷四石余(四反余)で、開田七斗余(一反余)、開畑はない。


政所村
まんどころむら

[現在地名]脊振村大字広滝ひろたき字政所

土器かわらけ山の東北に位置し、城原じようばる川の東岸沿いに発達した村。

村名の示すようにかつて荘園の政所があったと思われ、神埼庄の最北端に位置していたと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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