羅臼岳(読み)らうすだけ

精選版 日本国語大辞典 「羅臼岳」の意味・読み・例文・類語

らうす‐だけ【羅臼岳】

北海道北東部、知床半島の中央部にある成層火山。南東側のふもとに羅臼温泉がある。標高一六六〇メートル。知床国立公園一部

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デジタル大辞泉 「羅臼岳」の意味・読み・例文・類語

らうす‐だけ【羅臼岳】

北海道東部、知床半島のほぼ中央にある火山。標高1660メートル。山頂は溶岩円頂丘をなす。南東麓に羅臼温泉がある。

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日本歴史地名大系 「羅臼岳」の解説

羅臼岳
らうすだけ

羅臼町と西側に接する網走支庁管内斜里しやり斜里町の境にある。知床しれとこ連峰の最高峰で、標高一六六一メートルのコニーデ型火山。平成八年(一九九六)活火山と認定された。前近代にはラウス山(「協和私役」安政三年八月一九日条)、「ラウシ山」(「蝦夷日誌」一編)とみえ、「東蝦夷地場所大概書」には、場所内には高山はなくニシベツからシレトコまでの西蝦夷地境はどれも低い山々ばかりだが、そのなかでは「ラウシ岳 マシヤラウシ登り」が高山であると記される。松浦武四郎は「チヤチヤノホリ」とよんでいるが(山川地理取調図など)、「観国録」には「東北岬尽頭、第一峰ヲシレトコト云ヒ、第二峰ヲメナシ東ノ義、チヤヽヽ岳」との記述がみえ、国後くなしり島のチャチャ岳と区別するために「メナシチャチャ岳」とよばれていた可能性がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「羅臼岳」の意味・わかりやすい解説

羅臼岳
らうすだけ

北海道東部、知床半島(しれとこはんとう)のほぼ中央に位置する成層火山。オホーツク総合振興局管内の斜里町(しゃりちょう)と根室(ねむろ)振興局管内の羅臼町にまたがる。標高1661メートル。知床火山群の最高峰で、新第三紀層を基盤とし、安山岩質溶岩、火山砕屑(さいせつ)物などからなり、山頂は溶岩円頂丘をなしている。山頂近くの羅臼平には高山植物お花畑がある。南東麓(ろく)に羅臼温泉、北西麓に岩尾別温泉(いわおべつおんせん)があり、羅臼岳登山の基地ともなっている。知床国立公園域で、また、世界自然遺産「知床」域。山頂からは知床連山、国後(くなしり)島などを眺望できる。アイヌ語ではチャチャヌプリ(老爺・山)とよばれていたという。

岡本次郎

『朝日新聞社編・刊『週刊日本百名山 朝日ビジュアルシリーズ羅臼岳・斜里岳』(2001)』『甲斐崎圭著『羅臼 知床の人びと』(中公文庫)』


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百科事典マイペディア 「羅臼岳」の意味・わかりやすい解説

羅臼岳【らうすだけ】

北海道北東部,知床半島にある山。標高1661m。輝石安山岩の溶岩や火砕岩からなる成層火山で,山頂部には溶岩ドームがある。斜里町,羅臼町から登山路がある。知床国立公園に属し,日本百名山にも選ばれている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「羅臼岳」の意味・わかりやすい解説

羅臼岳
らうすだけ

北海道北東部,斜里町羅臼町の境,知床半島の中央にそびえる円錐(コニーデ)形の活火山(→成層火山)。標高 1661m。新第三紀層を基底とし,輝石安山岩集塊岩からなる。頂部は鐘状の円頂丘をなし,羅臼平にはエゾコザクラチングルマなどの高山植物群生。北麓に岩尾別温泉,南麓に羅臼温泉が湧出する。知床国立公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「羅臼岳」の意味・わかりやすい解説

羅臼岳 (らうすだけ)

北海道東部,知床半島のほぼ中央に位置する成層火山。標高1660m。知床火山群の主峰であるが,現在は活動していない。山頂付近は安山岩からなる溶岩円頂丘をのせ,火口を埋めている。山頂に近い羅臼平には高山植物におおわれたお花畑がある。南東麓の羅臼温泉,北西麓の岩尾別温泉は羅臼岳の登山口にあたり,夏季は観光客でにぎわう。知床国立公園に属する。
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事典・日本の観光資源 「羅臼岳」の解説

羅臼岳

(北海道)
日本百名山」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の羅臼岳の言及

【知床半島】より

…東岸は根室海峡を隔てて国後(くなしり)島に相対する。新第三紀の堆積岩,火山角レキ岩,凝灰岩などを基盤とし,第四紀に噴出した海別(うなべつ)岳(1419m),遠音別(おんねべつ)岳(1331m),最高峰の羅臼岳(1661m),硫黄山(1563m),知床岳(1254m)などの知床連山と呼ばれる山脈が縦走し,半島の東岸と西岸の分水界をなす。硫黄山は頂部に北側に開いた馬蹄形の爆裂火口(径約1.2km)をもつ活火山で,明治期以降にも4回の噴火を繰り返し,1889年,1936年の噴火の際には北麓に多量の溶融硫黄を流出させた。…

※「羅臼岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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