新エネルギー(読み)シンエネルギー

百科事典マイペディア 「新エネルギー」の意味・わかりやすい解説

新エネルギー【しんエネルギー】

石油原子力といった従来型のエネルギーあるいはエネルギー・システムと異なり,資源的制約や環境への影響が少ないエネルギーの総称。1994年総合エネルギー対策推進閣僚会議で決定された〈新エネルギー導入大綱〉では,重点導入されるべき新エネルギーとして,(1)太陽光発電などの再生可能エネルギー,(2)廃棄物発電などのリサイクル型エネルギー,(3)クリーンエネルギー自動車などの従来型エネルギーの新形態利用,の3点が選定された。具体的には,太陽光発電,太陽熱利用,風力発電海洋温度差発電,廃棄物発電,クリーンエネルギー自動車,コジェネレーション燃料電池,バイオマスエネルギー,清掃工場排熱利用,波力エネルギーなどの分野で開発および導入が行われている。1973年の石油危機をきっかけに石油代替エネルギーとして開発が始まり,近年では国際的環境問題への対応からも普及が急務とされている。1994年,総合エネルギー調査会では新エネルギーの国内供給目標を2000年度に2%,2010年度に3%と設定。これを受けて1997年に新エネルギー法〈新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法〉が公布され,導入の支援措置が整備された。三菱総合研究所の試算では,2010年の電力規模は太陽光発電604億円,風力発電131億円,廃棄物発電2803億円,コジェネレーション4389億円。また政府は現在2兆円の市場規模が2010年には7兆円に拡大すると予測している。ただし,安定性に欠ける,コストが高いなどの問題が克服されておらず,1次エネルギー総供給に占める新エネルギーのシェアは1973年度以降1%前後で停滞を続けている。しかし,2011年3月の福島第一原発での大事故発生は,地球温暖化問題原子力発電に傾いてきた近年の各国エネルギー政策に大きな衝撃を与えた。ドイツが原発推進政策を大転換させ脱原発依存に踏み出したのをはじめ,世界的にも新エネルギーへの取り組みを加速させる可能性が高い。
→関連項目再生可能エネルギー水素エネルギーソフト・エネルギーソーラーハウス地域熱供給電源ベストミックス

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