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新スコラ哲学 しんスコラてつがくNeo-Scholasticism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

新スコラ哲学
しんスコラてつがく
Neo-Scholasticism

広義には,15世紀以後のスコラ哲学を総称する場合もあるが,一般には 19世紀末以後始ったスコラ哲学の復興運動をいう。主流はトミズムにあるのでネオトミズムと同義にも用いられる。新スコラ哲学の語はルーバン大学の D.メルシエが提唱したもので,狭義には,その一派のみをさす。運動の機縁となったのは 1879年のレオ 13世の回勅「エテルニ・パトリス」で,教皇は近世以後の哲学を批判し,自然科学のような伝統の蓄積による学問進歩を主張し,トマス・アクィナスの哲学に基づくキリスト教哲学の再興を呼びかけた。教皇にゆかりが深かったルーバン大学では,大学を運営していたベルギーの司教たちが,82年研究計画の実行をメルシエにゆだねた。メルシエは自然科学のスコラ的説明を根底として哲学の出発点から研究を始め,93年彼を所長とする高等哲学研究所が発足し,多くの学者を輩出した。ベルギーとともに研究の盛んなのはフランスで,その中心はパリのカトリック大学である。イタリアではアンジェリコ大学,ミラノのカトリック大学,ドイツではインスブルック大学,スイスではフリブール大学が研究の中心である。代表的な学者としては,ベルギーでは A.ガルディユ,J.グレート,M.ド・ウルフ,J.マレシャル,フランスでは R.ガリグー・ラグランジュ,A.セルティヤンジュ,J.マリタン,E.ジルソン,ドイツでは J.クロイトゲン,J.ガイザー,H.デニフレ,M.グラープマンらをあげることができる。彼らは体系においてはトマス説に準拠してその現代的意義を主張し,また本文批判を通じての哲学史的研究を推進して中世に新たな光を当て,現代哲学の主潮の一つを形成している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

新スコラ哲学
しんすこらてつがく

現代において、中世のスコラ哲学の精神を再興しようとして、カトリック教会内におこった哲学運動の総称。理性の真理と信仰の真理とは唯一の神的真理という源泉から出るものであり、したがって互いに矛盾せず、信仰は理性を前提し、これを完成するものであるという総合の見通しにたって、信仰の基礎としての理性的真理の攻究に向かうところにその特徴がある。このような総合をもっとも完璧(かんぺき)に実現した代表者としてのトマス・アクィナスの哲学を祖述しようとするため、新トマス主義の形をとることが多く、1879年、教皇レオ13世によってなされたトマス哲学の復興に端を発し、ヨーロッパ各地において、その有力な推進者をみいだした。これは一方においては、地道な文献研究を通じて中世哲学思想史の文献学的研究への道を開き、他方では、一般哲学界に、存在論への関心を呼び覚まし、観念論的哲学から今日の存在論的哲学への道を開くのに貢献した。[加藤信朗]

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