新冠町(読み)にいかつぷちよう

日本歴史地名大系 「新冠町」の解説

新冠町
にいかつぷちよう

面積:五八五・八八平方キロ

昭和三六年(一九六一)九月新冠郡新冠村が町制施行して成立。新冠村時代の旧二二字を継承した。日高支庁北西部に位置し、南東静内しずない静内町、北西は沙流さる門別もんべつ町・平取びらとり町に、東は十勝支庁の帯広市・河西かさい中札内なかさつない村に接し、南西は太平洋に臨む。平取町・帯広市・中札内村・静内町との境にはヌカンライ岳(一五一八・七メートル)幌尻ぽろしり(二〇五二・四メートル)戸蔦別とつたべつ(一九五九メートル)神威かむい(一七五六・一メートル)エサオマントッタベツ岳(一九〇二メートル)イドンナップ岳(一七五二メートル)など、日高山脈北部の高山がそびえる。これらの山々を水源とする新冠川が町域の中央を北東から南西に貫流、海岸に沿って国道二三五号、JR日高本線が走り、町内に大狩部おおかりべ節婦せつぷ・新冠の三駅がある。近世はニイカップ場所に所属。明治二年(一八六九)八月の国郡画定により新冠郡となり、阿波徳島藩の支配地となる。同四年三月徳島藩の新冠郡支配は解かれ、同藩の淡路洲本城代家老稲田邦稙の支配に転じ、同年八月開拓使の管下となった。同二年から同六年までに高江たかえ村など一一ヵ村が成立(日高国地誌提要)。明治一三年下下方しもげぼう(現静内町)に置かれた静内新冠両郡各村戸長役場の管下となるが、同一四年新冠郡各村戸長役場を高江村に置いて分離独立。同二二年には両郡各村戸長役場の管下に戻るが、同四〇年再度高江村に高江村外十ヶ村戸長役場を設置、この管轄となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新冠町」の意味・わかりやすい解説

新冠〔町〕
にいかっぷ

北海道南部,太平洋に面する町。苫小牧市と襟裳岬のほぼ中間に位置する。1961年町制。地名はアイヌ語ニカプ(ニレ科の落葉高木,オヒョウの皮の意)に由来。主産業は米作,競走馬育成,酪農などの農畜産業と林業で,素材生産のほか製材,チップ材などの林産加工も行なわれる。町域北部の日高山脈は豊富な水に恵まれ,中央を流れる新冠川上流には新冠発電所,奥新冠発電所などの水力発電所がある。北東部は日高山脈襟裳国定公園に属する。海岸部を国道235号線が走る。面積 585.81km2人口 5309(2020)。

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