太陽が照った時間を測定する測器。日照ということばは、太陽面が周囲の空よりも明るい場合を意味するから、影の有無で決める。昔からいろいろな日照計が用いられているが、使用する測器によって観測値にかなりの違いが出ることがある。太陽光を球形ガラスで集光し、紙面にできた焦げ跡から日照時間を求めるのはカンベル‐ストークス日照計。青写真感光紙上にピンホールからの日光による像を記録するのはジョルダン日照計である。いずれも、長期間にわたる安定な観測データを得るには適しているが、遠隔測定ができないなどの不便さがある。そこで、光電池を使ったり、バイメタルの日射昇温を利用する測器がつくられた。太陽電池に入射する日射の強さが1平方メートル当り0.2キロワットを超える場合を日照時間としてカウントする太陽電池日照計は、これまでの日照計とだいたい一致する値を示す。
[篠原武次]
日照時間を記録する計器。古くから用いられているカンベル日照計は,ガラス球によって太陽光の焦点をつくり出し,これによって記録紙に焦げ跡ができるようにし,その長さから日照時間を測る測器である。ジョルダン式日照計は密封した円筒の中に感光紙をセットしておき,円筒につくられた2個の小さな穴から入射する太陽光によって描かれた光跡から日照時間を求めるものである。最近,日照時間の定義が定められたこともあって,電子技術の進んだ現代にふさわしい日照計として回転式日照計が採用されつつある。これは反射鏡などを回転させてそこから入ってきた太陽光を焦電素子(温度変化を受けると電気を発生する物質)に導き,回転とともに変化する素子の電力から日照の有無を判定し,パルスとして出力する方式である。このほか,太陽電池式日照計がある。これはセンサーとして3個の太陽電池が特定方向に設定され,これらの出力から直達日射光の強さを分離測定して日照の有無を判定する。
執筆者:岡村 存
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