バイメタル(読み)ばいめたる(英語表記)bimetals

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイメタル」の意味・わかりやすい解説

バイメタル
ばいめたる
bimetals

熱膨張係数の異なる2枚の合金薄板を張り合わせて1枚の板とし、温度変化に伴う各合金の伸びの違いによる曲がり(温度上昇に伴い低膨張材側へ曲がる)を利用するもの。この曲がりをそのまま(拡大して)利用するものに、バイメタル温度計や温度自動記録計がある。さらに、この曲がりにより電気接点を開閉する温度調節計などがある。もっとも代表的な例は青銅(銅‐スズ合金)とアンバー(鉄‐ニッケル合金)の組合せで、この場合には線熱膨張係数の差は1℃当り1.8×10-5となる。用途により各素材の厚さを変えたり、中間に別の金属を挟んだりして、曲がりの程度や強さを加減する。普通のバイメタル温度計の目盛り範囲は零下20~プラス150℃程度のものが多いが、青銅‐アンバーの組合せでは最高650℃までは使用可能である。

[及川 洪]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バイメタル」の意味・わかりやすい解説

バイメタル
bimetal

熱膨張率の異なる2種の金属板を接着した一種複合金属材料。温度変化によって湾曲する性質を利用し,温度計,自記温度計,温度自動調節用電気回路接点に使われる。不変鋼 (膨張率 1.2×10-6/℃ ) と銅合金 (同 18×10-6/℃ ) の組合せがよく使われるが,湾曲時に剥離しないように中間膨張率の第3種金属板をはさんだものもある。高温用では高膨張側にニッケル,Fe-Ni-Crまたは Fe-Ni-Mn合金などが使用され,中間層を比較的高融点の銅合金またはニッケルとする。この場合の中間層は両側の合金成分が互いに直接浸透して組成変化を起すことを防ぐ役目もしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android