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日米経済摩擦 にちべいけいざいまさつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日米経済摩擦
にちべいけいざいまさつ

1960年代末から 70年代初めにかけての日米繊維交渉以来,今日まで日米間の貿易収支の不均衡が政治問題化するようになり,いわゆる日米経済摩擦あるいは通商摩擦と呼ばれるようになった。カラーテレビ,鉄鋼,牛肉・オレンジ,自動車などの問題を経て,近年は単に貿易にとどまらず金融市場,ハイテク,土木・建設市場,原子力,電気通信市場,投資,コメの輸入自由化などから,政府調達,規制緩和,自動車・部品まで多方面で顕在化している。またハイテク安全保障論,食糧安全保障論などのように,防衛・安全保障問題にまで連関させて論じられるのが特徴で,さらには個別分野における日本市場への参入の度合を測る「客観基準」の導入なども要求している。日米の政府間交渉では,国益,国家主権といった観点からナショナリズムが高揚し,保護主義が台頭する危険性が存在している。また,日本の政治・社会システムは特殊なもので,それが維持されているかぎり西欧市民社会のルールに準じて日米経済関係の不均衡に対処しようとするのには無理があるとして日本の流通構造,産業政策 (農業政策も含む) の変革を迫るリビジョニズム的見解もアメリカに存在する。日米構造協議, 日米包括協議のような政府レベルでの交渉もさることながら,日米財界人会議などのように,民間レベルでさまざまな形の日米交渉,日米交流が推進されることこそ重要であろう。

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世界大百科事典内の日米経済摩擦の言及

【日米繊維交渉】より

…この言葉は,日本の毛・化合繊製品の対米輸出規制をめぐる1969‐71年にわたる日米交渉を特定して使われる場合が多い。それ以前の綿製品の対米輸出規制をめぐる交渉が,長引いても数ヵ月以内に事務レベルで決着していたのに比べ,このときの毛・化合繊製品をめぐる交渉は政治問題化して2年半も紛糾し,第2次大戦後の日米関係における最悪の危機的状態をもたらしたといわれている。この問題は1968年のアメリカ共和党の大統領候補ニクソンの選挙公約に端を発し,69年春,ニクソン新政権下に出された日本に対する厳しい自主規制要求に始まる。…

【貿易】より

…もっとも日本の輸入拡大は輸出拡大に比べて小さく,大幅な貿易収支黒字になっている。このためアメリカ,EC(現EU)諸国を中心に,日本の工業品輸入,農産物輸入の拡大,市場開放を求める要求が強く,いわゆる〈経済摩擦(日米経済摩擦,日欧経済摩擦)〉として,大きな問題となってきた。1980年以降も輸出入量は増加し続けたが,輸出比率・輸入比率はともに低下し,9%台と4%近辺になっている。…

※「日米経済摩擦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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