日華平和条約(読み)にっかへいわじょうやく(英語表記)Peace Treaty between Japan and the Republic of China

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

第2次世界大戦後の 1952年4月 28日,日本と台湾中華民国国民政府との間で締結された講和条約。日本と中華民国との間の戦争状態終了,正常関係再開などを取決めた。タイペイ (台北) で調印。中国を正統に代表する政府は台北政府か北京政府かをめぐるイギリス,アメリカの意見不一致により,中国は 51年9月のサンフランシスコ講和会議に招請されなかった。その後日本はアメリカの要望をいれて,同年 12月 24日の J.ダレスあて「吉田書簡」で国民政府との間に平和条約締結の用意がある旨を表明,翌 52年4月 28日,つまり講和条約発効の日に同条約に署名した (1952.8.5.発効) 。中華人民共和国は,日中国交回復の前提条件の一つとしてこの条約廃棄を強く主張した。 72年9月 29日署名された日中共同声明により中華人民共和国との国交が樹立され,日華平和条約は存続意義を失った。

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百科事典マイペディアの解説

日本と中華民国との間で第2次大戦の戦争状態を終了させた条約。中国はサンフランシスコ会議に招請されなかったが,サンフランシスコ講和条約を原則として1952年台北で調印。国民政府の支配下にある台湾を適用範囲として結ばれ,かつ将来国民政府の支配下に入る領域をも適用範囲と定めた。その結果,日中間の全面的国交回復が阻害されたが,1972年日本が中華人民共和国と国交を回復するとともにこの条約は失効,国民政府もまた対日国交断絶を宣した。
→関連項目日中共同声明日本

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世界大百科事典 第2版の解説

1952年に日本と中華民国の間で結ばれた平和条約。正式名称は〈日本国と中華民国との間の平和条約〉で,4月28日台北で調印され,8月5日発効した。サンフランシスコ講和会議の準備にあたりアメリカ,イギリス両国は中国代表権が中華民国政府,中華人民共和国政府それぞれにあると判断,1951年6月のロンドン会談でサンフランシスコ講和会議へはいずれも招待せず,会議後日中の2国間で平和条約を締結させ,その際いずれの政府を選ぶかは日本政府の判断にゆだねるという妥協を行った。

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大辞林 第三版の解説

台湾の国民政府と日本との間で1952年(昭和27)に結ばれた、戦争終結のための条約。72年の日中共同声明で、中華人民共和国政府を中国唯一の合法政府として承認したため、失効。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

1952年4月28日に調印した,日本と中華民国(台湾政権)との間の講和条約
サンフランシスコ講和会議に参加できなかった中国との講和条約を進めるため,日本の吉田内閣は中華人民共和国ではなく,台湾の中華民国と交渉を進めた。戦争状態の終結,台湾・澎湖諸島の放棄,中華民国側からの賠償請求権の放棄などを規定。1972年の日中国交正常化によって失効した。

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

第二次世界大戦後,日本と中華民国(台湾政府)との間で結ばれた講和条約
1952年4月28日調印。中国の代表政権について,イギリスとアメリカの意見が一致せず,サンフランシスコ講和会議に中国は招請されなかった。アメリカは国民政府との講和を希望し,吉田茂内閣は全権河田烈を台北に派遣し調印した。'72年日中共同声明を出した直後,政府はこの条約の消滅を明言した。

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世界大百科事典内の日華平和条約の言及

【平和条約】より

…その後,インドとの間には1952年に日印平和条約が結ばれた。中国については,はじめ台湾との間に1952年に日華平和条約が結ばれたが,その効力は中華人民共和国には及ばず,72年の日中共同声明によって,後者との不正常な状態が終了するとともに,日華平和条約は効力を失い,78年には日中平和友好条約が結ばれた。ソ連との間の戦争状態は,1956年の日ソ共同宣言によって終了したが,この宣言で予定されている平和条約は,まだ結ばれておらず,北方領土問題が日ソ間の対立点となっている。…

※「日華平和条約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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