早岐瀬戸(読み)はいきせと

改訂新版 世界大百科事典 「早岐瀬戸」の意味・わかりやすい解説

早岐瀬戸 (はいきせと)

長崎県佐世保市の南部本土針尾島の間にある長さ約10kmの瀬戸大村湾佐世保湾をつなぐ水道で,水深は3m以下,潮流は緩やかである。江戸時代からの干拓土砂堆積により狭く,浅くなったが,近年護岸や浚渫(しゆんせつ)工事が行われ,ふたたび瀬戸はよみがえった。1954年,北部の早岐に架けられた観潮橋のほか,南部の南風崎(はえのさき)に橋があり,さらに83年観潮橋の北に早岐瀬戸大橋が完成した。古くは重要な海上交通路であったが,現在は早岐から国道202号線が糸島経由で長崎へ通じている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「早岐瀬戸」の意味・わかりやすい解説

早岐瀬戸
はいきせと

長崎県佐世保市(させぼし)の南部に位置し、針尾島(はりおじま)と東の本土との間にある狭小な瀬戸。長さ約11キロメートル、幅400メートル内外。大村湾の水を佐世保湾に通じ、さらに外洋に通ずる東の出入口であるが、西の伊ノ浦瀬戸(いのうらせと)(針尾瀬戸)に比べ水深はきわめて浅くわずかに3メートル以下、潮流も緩やかで河川状をなす。大手原(おおてばる)、小田(おだ)では干拓が進み、瀬戸の幅を縮小している。早岐、南風崎(はえのさき)などに架橋があり、前者の橋を観潮(かんちょう)橋とよび、ここに国道202号を通ずる。観潮橋付近の瀬戸の右岸に、海の幸と陸の幸とを物々交換する古くからの早岐茶市が5月の8の日を中心に3回9日間、および6月8日を挟んで1回3日間の計4回開かれる。1897年(明治30)の茶市では、この瀬戸への出入船は3000を超えたが、翌年鉄道の開通によって瀬戸の交通量は激減した。

[石井泰義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「早岐瀬戸」の意味・わかりやすい解説

早岐瀬戸
はいきせと

長崎県中部,針尾島と九州島との間の海峡全長約 11km,幅約 125mの河川状の狭い水道で,潮流は速い。大村湾と佐世保湾とを結ぶ西の針尾瀬戸に対して東の通路にあたり,現在は船舶航行が少いが,かつては海陸交通の要路で,海峡に面する早岐と南風崎 (はえのさき) はその中心であった。現在,この2地点に架橋があり,早岐の観潮橋には国道 206号線が通じる。

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