共同通信ニュース用語解説 「旭硝子」の解説
旭硝子
電子部材や化学品、セラミックスまで幅広く手掛けるガラス最大手。近年は医薬品事業も強化している。事業分野が広がってきたため、今年7月1日付で「AGC」に社名変更する。創立は1907年。2016年12月期連結決算の売上高は1兆2825億円、純利益は474億円。グループの従業員数は約5万1千人。
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電子部材や化学品、セラミックスまで幅広く手掛けるガラス最大手。近年は医薬品事業も強化している。事業分野が広がってきたため、今年7月1日付で「AGC」に社名変更する。創立は1907年。2016年12月期連結決算の売上高は1兆2825億円、純利益は474億円。グループの従業員数は約5万1千人。
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世界的にも屈指の生産規模を誇る日本の板ガラスのトップメーカー。1907年(明治40)岩崎弥太郎(やたろう)の甥(おい)にあたる岩崎俊弥(としや)(1881―1930)が設立。活発な技術導入や技術革新、設備拡張により、1937年(昭和12)には企業1社の板ガラス生産高で世界第1位となった。ソーダ事業や耐火煉瓦(れんが)事業に取り組み、第二次世界大戦前には中国東北、華北、朝鮮半島に進出した。1944年日本化成工業に合併され三菱(みつびし)化成工業と改称。第二次世界大戦後、1950年(昭和25)の旧三菱化成工業の3社分割により、ふたたび旭硝子として新発足した。板ガラスを中心に原料であるソーダ事業や塩素系化学品の分野に展開し、テレビのブラウン管用管球ガラスではとくに高い技術力をもつ。最近は、フッ素などのハロゲンを用いた化学品やセラミックス製品の開発に力を入れている。第二次世界大戦後も東南アジアやアメリカに積極的に海外進出。1990年代なかばには、子会社を含めた海外での営業利益が、国内での営業利益を上回るようになった。資本金908億円(2007)、売上高1兆6812億円(2007年。連結ベース)。尼崎、北九州などに工場をもつ。
[橘川武郎]
『旭硝子株式会社臨時社史編纂室編『社史 旭硝子株式会社』(1967・旭硝子株式会社)』▽『旭硝子株式会社社史編纂室編『旭硝子100年の歩み 伝統・創造・革新』(2007・旭硝子株式会社)』
日本最大のガラス・メーカー。三菱系。1907年9月,岩崎俊弥(岩崎弥太郎の弟弥之助の次男)により旭硝子(株)の名称で兵庫県尼崎に創立された。ベルギーから手吹式円筒法の技術を導入して09年尼崎工場(現,関西工場)を建設,日本初の窓ガラス生産に成功した。第1次大戦の影響による耐火煉瓦およびソーダ灰の入手難に際し,それぞれ16年,17年に初の国産化に成功。こうして,板ガラスのほか,高熱工業の基礎資材として不可欠の耐火炉材,化学工業の基礎原料であるソーダという経営の柱となる3部門が築かれた。第1次大戦時の板ガラス市況の大変動などに耐え,第2次大戦前には世界有数の板ガラス・メーカーになった。大正末から昭和初期には中国東北部,北朝鮮にも進出。34年日本化成工業(株)に合併,同時に同社は三菱化成工業(株)に改称した。敗戦により清津工場(北朝鮮)等の海外設備と資産の全部を失ったが,50年企業再建整備法に基づき,旧三菱化成が3社に分離され,同年6月新生旭硝子(株)として再発足した。近時は,イオン交換樹脂等のファイン・ケミカル,ファインセラミックス,電子・ディスプレイ分野に力を入れている。資本金905億円(2005年12月),売上高1兆5267億円(2005年12月期)。
→ガラス工業
執筆者:中田 智夫
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「AGC」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ガラス,ガラス製品製造業の出荷額は窯業,土石製造業の約15%を占め,製品形態別に,板ガラス工業,ガラス製品工業,ガラス繊維工業の三つに大別される。
[板ガラス工業]
大規模な溶融窯で昼夜連続操業を行う典型的な装置産業で,このため欧米各国とも企業数は少なく,日本でも,販売シェア順で旭硝子(あさひガラス),日本板硝子,セントラル硝子(1959進出)の3社寡占状態になっている。日本で最初に板ガラスを生産したのは1907年設立の旭硝子で,手吹き円筒法が用いられた。…
※「旭硝子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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