三菱化学(読み)みつびしかがく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三菱化学」の意味・わかりやすい解説

三菱化学
みつびしかがく

三菱系の元総合化学会社で、かつて国内首位を占めた。1994年(平成6)に同じ三菱グループに属する三菱化成(1934年に日本タール工業として設立)と三菱油化(1956年設立)とが合併して成立。低迷する石油化学事業のリストラ策の意味合いをもった。前身の一つの三菱油化は、石油化学国産化に先鞭(せんべん)をつけた「先発4社」の一角を占め、1959年(昭和34)三重県四日市(よっかいち)にエチレンセンターを建設した。1999年東京田辺製薬と合併、医薬事業を分離し子会社の三菱東京製薬を設立した。さらに三菱東京製薬は2001年(平成13)に製薬会社ウェルファイド(旧、吉富製薬)と合併し、三菱ウェルファーマ(2007年より田辺三菱製薬)となった。三菱化学は2005年10月、三菱ウェルファーマと共同持株会社、三菱ケミカルホールディングスを設立し、その子会社となり、2017年に三菱樹脂三菱レイヨンと統合し、三菱ケミカルとなった。黒崎(福岡県)、四日市、水島(岡山県)、鹿島(かしま)(茨城県)などに工場をもっていた。

[橘川武郎 2019年2月18日]

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百科事典マイペディア 「三菱化学」の意味・わかりやすい解説

三菱化学[株]【みつびしかがく】

総合化学で国内トップ,世界5位の会社。1934年日本タール工業として設立。1950年集中排除法により,旭硝子(ガラス),新光レイヨン(現三菱レイヨン)とに3分割された。1952年三菱化成工業から三菱化成へ改称石炭乾留起点染料肥料合成樹脂などに発展した代表的総合化学工業会社で,総合化学メーカーのトップとなった。ファインケミカルを志向し,医薬品にも注力。1994年10月三菱油化と合併し現社名。1999年10月,東京田辺製薬(1921年設立)と合併,医薬品部門を分離して三菱東京製薬を設立。2005年株式移転により,三菱ウェルファーマと共同持株会社三菱ケミカルホールディングスを設立。
→関連項目三井化学[株]吉富製薬[株]

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改訂新版 世界大百科事典 「三菱化学」の意味・わかりやすい解説

三菱化学[株] (みつびしかがく)

日本最大の総合化学会社。1994年10月,同じ三菱グループの三菱化成と三菱油化(石油化学最大手,94年資本金541億円,94年3月期売上高3267億円)が合併,発足。資本金1451億円(2005年9月),売上高2兆1895億円(2005年3月期),2005年10月,医薬品子会社の三菱ウェルファーマを統合し,三菱ケミカルホールディングス(株)と改称した。
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日本の企業がわかる事典2014-2015 「三菱化学」の解説

三菱化学

正式社名「三菱化学株式会社」。英文社名「Mitsubishi Chemical Corporation」。化学工業。昭和9年(1934)「日本タール工業株式会社」設立。同25年(1950)「日本化成工業株式会社」に改称。同27年(1952)「三菱化成工業株式会社」に改称。同63年(1988)「三菱化成株式会社」に改称。平成6年(1994)「三菱油化株式会社」と合併し、現在の社名に変更。本社は東京都千代田区丸の内。三菱ケミカルホールディングス子会社の化学品メーカー。業界最大手。石油化学製品・高機能材料などの研究・開発・製造・販売を行う。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三菱化学」の意味・わかりやすい解説

三菱化学
みつびしかがく

三菱系の総合化学会社。 1994年 10月,三菱化成と三菱油化が合併して創設。国内首位,世界8位の規模を誇る。合繊原料や樹脂などの石油化学部門を中心に,医薬品や電子材料分野へと事業の拡大をはかっている。売上構成比は,石油化学部門 45%,機能商品部門 37%,炭素アグリ部門 18%。年間売上高1兆 5316億 3500万円 (連結。うち輸出 16%) ,資本金 1407億 4500万円,従業員数1万 950名 (1999) 。

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