日本大百科全書(ニッポニカ) 「明宝」の意味・わかりやすい解説
明宝
めいほう
岐阜県中西部、郡上郡(ぐじょうぐん)にあった旧村名(明宝村(むら))。現在は、郡上市の北東部を占める一地区。1970年(昭和45)奥明方(おくみょうがた)村を明方村と改称。さらに1992年(平成4)明方村を明宝(めいほう)村に変更。2004年(平成16)八幡(はちまん)、大和(やまと)、白鳥(しろとり)の3町、高鷲(たかす)、美並(みなみ)、和良(わら)の3村と合併、市制施行して郡上市となる。旧明宝村の主要地域は、長良(ながら)川の支流吉田川の上流域であり、全面積の約9割が山林で占められている。国道472号が通じ、長良川鉄道郡上八幡駅からバスがある。農業、林業、畜産などの地域振興が図られ、上質なハムが特産である。また、夏秋トマトの栽培が盛ん。寒水(かのみず)の白山(はくさん)神社の例祭に奉納される「掛踊」は国指定の選択無形民俗文化財。明宝歴史民俗資料館には4万点以上の民俗資料が収蔵されている。旧村域の東部は飛騨(ひだ)川水系に属し、岩屋ダムの水源地域である。
[上島正徳]
『『明宝村史 通史編』2冊(1993・明宝村)』