日本大百科全書(ニッポニカ) 「高鷲」の意味・わかりやすい解説
高鷲
たかす
岐阜県中西部、郡上郡(ぐじょうぐん)北部にあった旧村名(高鷲村(むら))。現在は郡上市の北部を占める一地域。2004年(平成16)八幡(はちまん)、大和(やまと)、白鳥(しろとり)の3町、美並(みなみ)、明宝(めいほう)、和良(わら)の3村と合併、市制施行して郡上市となる。旧高鷲村は、長良(ながら)川最上流域を占める。国道156号、東海北陸自動車道が通じ、高鷲インターチェンジがある。白川郷に接するひるがの(蛭ヶ野)は標高約900メートルで、湿原植物のミズバショウ群生地(県指定天然記念物)として知られる。第二次世界大戦後の開拓地ひるがの、上野両高原では、大根、ニンジンなどの高冷地野菜の栽培や酪農が盛んである。また貸し農園など、観光農業にも力を入れている。近年は観光開発も進み、別荘地ができ、テニス・ゴルフ・スキー場や旅館・ホテル・民宿などの宿泊施設が整備され、中京方面から訪れる観光客が増加している。
[上島正徳]
『山川新輔著『高鷲村史』(1960・高鷲村)』▽『『高鷲村史 続編』(1986・高鷲村)』