明王寺(読み)みようおうじ

日本歴史地名大系 「明王寺」の解説

明王寺
みようおうじ

[現在地名]増穂町舂米

舂米つきよね東部の段丘上に熊野神社と並び立つ。正しくは大聖金剛山息障院明王寺といい、本尊不動明王近世には山城醍醐寺報恩ほうおん院末(「甲斐国志」など)、現在は真言宗智山派。天平神護年間(七六五―七六七)儀丹行円が伊豆国から甲斐に来て利根とね川の上流平林ひらばやしの奥にある儀丹ぎたんの滝で修行中、不動明王を感得して宝亀元年(七七〇)当地に当寺を開創する(文化二年「明王寺由緒書」寺蔵文書)鎮守熊野権現白山権現見目みるめ明神を勧請した。寺地平林小林こばやし大久保おおくぼおよび北の甲西こうさい秋山あきやまに接するほど広大で、大伽藍を誇ったと伝える(増穂町誌)

明王寺
みようおうじ

[現在地名]歌志内市字本町

本町ほんちよう市街地の中央、山の傾斜地にある。象岳山と号し、曹洞宗。本尊は大聖不動明王。明治二三年(一八九〇)の北炭空知鉱の開鉱にあたり、募集した坑夫に曹洞宗の信徒が多数おり、同二六年札幌中央ちゆうおう寺の名義で空知採炭所事務所に説教所が開設された。同二九年九月、正式に認可され、同年五月に成田山新勝しんしよう(現千葉県成田市)から不動明王を招来している。同三六年一二月、道庁に認可され以後寺勢を拡大していった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「明王寺」の解説

明王寺〔山梨県〕

山梨県南巨摩郡富士川町にある真言宗智山派の寺院、大聖金剛山息障院明王寺の通称。770年開創と伝わる。本尊は不動明王。武田信玄が戦勝祈願寺として信仰

明王寺〔香川県〕

香川県小豆郡小豆島町にある寺院。室町時代後期に建てられた釈迦堂は国の重要文化財に指定されている。

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