時角(読み)ジカク(その他表記)hour angle

翻訳|hour angle

デジタル大辞泉 「時角」の意味・読み・例文・類語

じ‐かく【時角】

天球上で、天の両極を通る大円(時圏)が、天の子午線となす角。子午線を零時とし、角度時間単位に換算して、西回りに24時まで数える。15度で1時。

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精選版 日本国語大辞典 「時角」の意味・読み・例文・類語

じ‐かく【時角】

  1. 〘 名詞 〙 天球上で、ある天体と天の極とを結ぶ大円(時圏)が、天頂と天の極を通る大円(子午線)との間につくる角。子午線を基線として西向きに時間の単位で測る。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「時角」の意味・わかりやすい解説

時角 (じかく)
hour angle

星などの天体が日周運動で子午線を通過後に進行した角度をいう。厳密には子午線と時圏(天体と天の北極とを結ぶ大円)とが天の北極で交わる角度として定義され,天頂から西向きに測る。これを360度を24時とする時,分,秒の単位で測ると,時角はそのまま天体の南中後の経過時間を表すことになる。とくに太陽の場合,時角はその観測地点での午後時刻と一致する,すなわち太陽の時角に12時を加えると太陽時が与えられる。また恒星の場合は,赤経0時の星の時角によって恒星時が定義される。このように時角は,天体の運行を観測して時刻を決める仕事における必要性から導入されたといえる。実際の時刻観測においては,恒星のほうが太陽よりも観測しやすいのでまず恒星時を決め,次にそのときの太陽の赤経値を引くことによって常用時刻である太陽時を決めている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「時角」の意味・わかりやすい解説

時角
じかく

地上から見ると、すべての天体は日周運動により天の両極を中心に約1日に1回転の割合で回転しているが、一般に天測による時刻はこの回転角で与えられるわけであり、この意味でこの回転角を「時角」とよぶ。正確には、観測者の天頂を含む子午線半大円を天体が通過した後の進行角(すなわち子午線半大円から西向きに測った、天体を含む時圏半大円の角度)である。太陽の時角は「太陽時」(プラス12時)を与え、また赤経0度の恒星(あるいは春分点)の時角は「恒星時」を与える。このため、時角は1回転を24時とする「時分秒」の単位で表される。

[中嶋浩一]

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百科事典マイペディア 「時角」の意味・わかりやすい解説

時角【じかく】

天球上で,ある天体と天の北極をつなぐ大円(時圏)が子午線となす角。子午線と一致するときを0時とし,西回りに15°を1時とし24時まで数える。その天体の子午線通過後に経過した時間(恒星時で)を表す。
→関連項目時圏真太陽時

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「時角」の意味・わかりやすい解説

時角
じかく
hour angle

天球上において,天体と天の極を通る大円が観測者の子午線 (天の極と天頂を通る大円) となす角。子午線から西向きにはかる。通常,角度または時間によって示す。この時間は,天体が南中してからの経過時間にほぼ等しい。赤経αの位置にある天体の時角は,地方恒星時 θ の時刻において θ -αで与えられる。

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