暗室・闇室(読み)あんしつ

精選版 日本国語大辞典 「暗室・闇室」の意味・読み・例文・類語

あん‐しつ【暗室・闇室】

〘名〙
① 暗い部屋。また、暗くて人目につかない部屋。
※菅家文草(900頃)七・昧旦求衣賦〈菅原道真〉「暗室嬰帯、懐黔首於不一レ欺」 〔論註‐上〕
② 外部からの光線が入らないようにするための設備を施した部屋。物理学、化学、生物学などの実験や写真の現像などに用いる。
※写真鏡図説(1867‐68)〈柳河春三訳〉図「暗室有れば幕張を用るに及ばず」
③ 明治時代、囚人が監獄内の規則に違反した時、反省のために入れられる部屋。また、そこに入れる懲罰の一種。監禁し、食糧を減らし、寝具を禁じた。
監獄則(明治二二年)(1889)四四条「減食〔若くは闇室〕の罰に処すべき者あるときは」
[語誌]②は darkroom の訳語として、西洋の写真術の伝来によって生じた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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