焼付け(読み)ヤキツケ

デジタル大辞泉 「焼付け」の意味・読み・例文・類語

やき‐つけ【焼(き)付け】

[名](スル)
写真で、印画紙の上に原板を重ね、光を当てて露光させ、陽画を作ること。プリント。「べたで焼き付けする」
陶磁器上絵付けのこと。
金属塗料を塗ったのち加熱し、塗膜を乾燥・硬化させること。
めっきをすること。
[類語](1印画焼き増し写真光画陽画陰画フォトグラフ

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改訂新版 世界大百科事典 「焼付け」の意味・わかりやすい解説

焼付け (やきつけ)
printing

一般に写真のネガ像を使って陽画(ポジ像)を作る目的でポジ用感光材料に露光を与える操作をいう。写真撮影では通常,フィルム上にネガ像が形成されるため,被写体明暗調子が同じポジ像を作るにはそのネガ像を印画紙に密着して露光し,現像処理を経てポジ像を作る。このような密着焼付けによって得たポジ像はネガ像と同じ寸法に仕上げられる。小型カメラで撮影して得るネガ像は一般に引伸機によって印画紙上に画像を拡大(これを引伸しenlargementという)して焼き付け,現像処理して所望の大きさのポジ像を作る。

 ネガ像からポジ像を作る考え方は黒白写真,カラー写真とも同じで,またスチール写真と映画にも共通のものである。映画の場合は密着焼付けが多いが,16ミリフィルム上の像を35ミリフィルムに拡大,あるいは逆に35ミリ映画から16ミリ映画へ縮小プリントする方法もある。映画の拡大あるいは縮小焼付けに使う焼付機械をオプチカルプリンターという。写真システムにおいてネガ像から焼付けによって任意の大きさのポジ像を所望の枚数作成する方法をネガポジ法と呼び,1841年イギリスの科学者F.タルボットが考案した。ネガポジ法においてはポジ像を作る焼付け操作において,拡大縮小,あるいは画像の調子,色調などを修正することができ,また多数の陽画を作ることができる点有利と考えられる。映画製作の場合にも撮影によって得たネガを何回も焼き付け,編集して上映用プリントを作る。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼付け」の意味・わかりやすい解説

焼付け
やきつけ

写真用語。原板(焼付けのもとになる画像を記録しているフィルムなど)からプリントするには、原板と同一サイズのものが得られる密着焼付けと、引伸し焼付け(拡大焼付けを含む)の二つの方法があるが、一般には前者をいう。密着焼付けには、引伸し機の投影面に印画紙などを置き、その上にネガなどを並べてガラスで押さえたのち(市販のコンタクトプリンターを使用するのが便利)、光源を点滅して適当な露光を与え現像処理を行う。この方法で得たものを俗に棒焼きまたはべた焼きと称している。なお現在、専門家以外には使われなくなったが、密着焼付け機(プリンター)という専用機もある。

[伊藤詩唱]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「焼付け」の意味・わかりやすい解説

焼付け
やきつけ

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