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有効競争 ゆうこうきょうそうworkable competition; effective competition

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有効競争
ゆうこうきょうそう
workable competition; effective competition

実現可能でかつ国民経済的に望ましい経済的成果を実質的に保証するような競争の考え方産業組織論の中心的概念で,1940年に J.M.クラークが提唱。どのような状態をもって有効競争とみなすかについては2つの考え方がある。1つは望ましい市場構造の基準を求めるもので,(1) かなり多数の売手買手が存在し,(2) そのいずれもが市場の大部分を占めておらず,(3) 相互に共謀がなく,(4) 新規参入が可能の4条件を満たした状態が有効競争の状態であると規定している。もう1つは成果基準で,問題は構造基準でいうような集中や共謀にあるのではなく,産出量の制限,高価格,過剰設備などにあると考え,これらを排除することにより市場における価格低下,品質の改善技術革新などがもたらされるならば市場の競争は有効であると考えるもので,その基準として,(1) 生産物や生産技術の改善が積極・効果的,(2) 生産費用の低下が価格低下に結びついている,(3) 過剰投資がない,(4) 類似の他産業に比べ利潤永続,実質的に高くない,(5) 競争努力が販売費の増嵩となっていない,の5つがあげられている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうこうきょうそう【有効競争 workable competition】

経済学には,競争の概念を純化させた,完全競争という一つの理念型が存在する。そこでは,情報の完全性,財の分割可能性,参入および退出の完全な自由などという条件が,競争が完全であるための条件として必要とされる。しかし現実にこのような条件が満たされることはありえないので,クラークJohn Maurice Clark(1884‐1963)は,産業組織の分析と政策基準のためにより現実的概念として,1940年に有効競争という概念を提唱した。

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大辞林 第三版の解説

ゆうこうきょうそう【有効競争】

競争者がそれほど多くないという現実的な想定のもとに、社会的に望ましい経済的成果をもたらすための条件を満たすような競争状態。産業組織に関する政策上の基準を提供する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有効競争
ゆうこうきょうそう
effective competitionworkable competition

市場(しじょう)の競争機能の維持を図る政策基準概念。市場における競争の理論上の基準は完全競争であるが、現実には情報の不完全などの理由により、完全競争状態は存在しえない。それにかわって、一定の条件が満たされている限り、そこには競争が有効に作用しているとみなすのである。その条件としては、〔1〕市場の構造からかなり多数の売り手と買い手がいること、〔2〕そのいずれもが市場の大部分を占有していないこと、〔3〕グループ間に共謀がないこと、〔4〕新企業による市場への参入の可能性があること、などがあげられる。アメリカの経済学者J・M・クラークによって提唱された概念である。[森本三男]

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