有機ガラス(読み)ユウキガラス(その他表記)organic glass

翻訳|organic glass

デジタル大辞泉 「有機ガラス」の意味・読み・例文・類語

ゆうき‐ガラス〔イウキ‐〕【有機ガラス】

合成樹脂うち無色透明ガラス代用になるもの。メタクリル樹脂など。

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改訂新版 世界大百科事典 「有機ガラス」の意味・わかりやすい解説

有機ガラス (ゆうきガラス)
organic glass

透明なプラスチックを用いてつくられたガラス状成形品の通称。当初尿素樹脂を型に入れて硬化したものが用いられたが,その後第2次世界大戦中に軍用機の風防ガラスなどとして用いられたメタクリル樹脂の注型成形品を一般に有機ガラスと呼ぶようになった。現在でも航空機の窓,バス,列車の窓(とくにアメリカで多い),看板,装飾表示品,サングラスなどに用いられる。有機ガラスの欠点であった表面の傷のつきやすさも,シリコーン系化合物を塗布,硬化させることにより大幅に改善された。また,メタクリル樹脂以外にポリカーボネートも有機ガラスとして用いられる。
アクリル樹脂
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「有機ガラス」の意味・わかりやすい解説

有機ガラス
ゆうきがらす
organic glass

メタクリル酸メチルエステルの重合体ポリメチルメタクリレート)の透明性を利用して板状にしたアクリル樹脂の総称。1936年にイギリスのICI社から航空機の風防ガラスとして売り出されたのが最初である。

垣内 弘]

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百科事典マイペディア 「有機ガラス」の意味・わかりやすい解説

有機ガラス【ゆうきガラス】

透明な板ガラス状プラスチック製品の通称。航空機の窓,看板,サングラスなどに使用される。メタクリル酸メチル樹脂の注形板が代表的。他にポリスチレン,不飽和ポリエステル樹脂塩化ビニル樹脂なども用いられる。
→関連項目アクリル樹脂ガラス

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化学辞典 第2版 「有機ガラス」の解説

有機ガラス
ユウキガラス
organic glass

メタクリル酸メチル重合で得られる透明性にすぐれた板状アクリル酸樹脂の俗称.1936年,イギリスのI.C.I.社(Imperial Chemical Industries Co.)が,メタクリル酸メチルの鋳込重合により有機ガラスの製造を開始した.航空機の風防ガラスとして用いられた.[別用語参照]メタクリル酸メチル樹脂

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有機ガラス」の意味・わかりやすい解説

有機ガラス
ゆうきガラス
organic glass

合成樹脂でできたガラス様の透明板。ポリメタクリル酸メチル,ポリ塩化ビニルやセルロイドなどからつくったものは透明で,尿素樹脂,メラミン樹脂などのものは半透明。軟らかく表面が傷つきやすく,化学薬品や熱に対しては弱いが,比重が小さく,成形が容易で割れにくく,透明なものは光の屈折率もよいなどの利点があるため,照明用具,光学レンズなどに多用されている。

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