本行(読み)ホンギョウ

デジタル大辞泉 「本行」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【本行】

仏語。悟りを得て仏となるためのもととなる修行
歌舞伎邦楽舞踊などで、または狂言から移入した作に対する、原作の能・狂言。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「本行」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ぎょう‥ギャウ【本行】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。仏のさとりを開くための本となる修行。仏の成仏以前の修行。
    1. [初出の実例]「従供養以下嘆行。供養無量百千諸仏者。出其行本。於諸仏所殖衆徳本者。正嘆本行。此二句正嘆行」(出典法華義疏(7C前)一)
  3. 仏語。菩薩の七地までの修行をいう。
    1. [初出の実例]「大智是八地以上智。本行謂七地以下」(出典:維摩経義疏(613)序品第一)
  4. 元になった作の意で、歌舞伎に移入した作に対する原作の能・狂言、または、人形浄瑠璃の丸本をさす。たとえば、「勧進帳」は、能の「安宅」を本行とする。本業
    1. [初出の実例]「『遠近の、たつきも知らぬ山中に、我もや友と呼子鳥』ト本行の次第になり」(出典:歌舞伎・四天王櫓礎(1810)大切)

ほん‐こう‥カウ【本行】

  1. 〘 名詞 〙 自分の所属している、この銀行当行
    1. [初出の実例]「本行にては頭取毛利元徳君始め役員尽く出席有て」(出典:朝野新聞‐明治一〇年(1877)一二月一二日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「本行」の意味・わかりやすい解説

本行
ほんぎょう

日本演劇および音楽用語。歌舞伎または三味線音楽およびその囃子において,先行原作または原曲を移入したものである場合,そのもととなっているもの,あるいはそれによる演出をいう。だいたいは能から出たものをいうが,人形浄瑠璃から出たものについてもいう。歌舞伎囃子では,能と同様の囃子を「本行」といい,歌舞伎独自の囃子を「本来」ということもある。なお直接に能から出たものでなくても,能楽的な演出による場合,「本行がかり」という。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android