杉菜(読み)スギナ

デジタル大辞泉 「杉菜」の意味・読み・例文・類語

すぎ‐な【杉菜】

トクサ科の多年生シダ地下茎が長くはい、早春に節からツクシとよばれる胞子茎を、次いで栄養茎を出す。栄養茎は緑色で、高さ10~30センチ、輪状に枝を出す。葉は退化し、さや状。若い胞子茎は食用北半球温帯から寒帯に広く分布 春》「すさまじや―ばかりの丘一つ/子規

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精選版 日本国語大辞典 「杉菜」の意味・読み・例文・類語

すぎ‐な【杉菜】

  1. 〘 名詞 〙 シダ植物トクサ科の多年草。各地の平地山地の日当たりのよい草地や裸地に生える。地上茎には胞子茎と栄養茎の別があり、一般に前者を「つくし」、後者を「すぎな」と呼ぶ。胞子茎は早春地表に出て、先端に肉色または淡褐色で太い長楕円形の胞子嚢穂を単生するが、胞子散布後すぐ枯れる。栄養茎は胞子茎より遅れて地表に現われ、鮮緑色で茎の上部の節に線形の枝を輪生する。節には葉が互いに密着して鞘状となった長さ五ミリメートルくらいの葉鞘があり、節間には多数の隆条と溝がある。若い胞子茎はゆでて食用とし、また、全草を利尿薬に用いる。漢名、問荊。《 季語・春 》 〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「すさましや杉菜ばかりの岡一つ」(出典:寒山落木〈正岡子規〉明治二六年(1893))

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