松ノ木遺跡(読み)まつのきいせき

日本歴史地名大系 「松ノ木遺跡」の解説

松ノ木遺跡
まつのきいせき

[現在地名]本山町寺家

高知県北部、太平洋岸と瀬戸内側の中間地点に位置し、南北交流の要衝としての地勢を得ている。遺跡は吉野よしの川本流と汗見あせみ川の合流地点に発達した河岸段丘の先端部、標高二四八メートルに立地する。縄文時代前期から古墳時代初頭にかけての遺跡であり、とくに縄文時代後期前葉の松ノ木式土器の標式遺跡として知られている。平成二年(一九九〇)以降五次にわたる調査が本山町教育委員会によって実施された。

松ノ木式土器は、それまで実体が明らかになっていなかった縁帯文土器成立期の土器様式であり、一連の調査によって質・量ともに良好な資料を得ることができた。


松ノ木遺跡
まつのきいせき

[現在地名]杉並区松ノ木一丁目

善福寺ぜんぷくじ川の左岸沖積低地の広がる南へ突き出た台地に立地する集落遺跡。調査は昭和二四年(一九四九)工事に伴って行われたのが始まりで、その後は同三五年に広い範囲を発掘した。これまでのところ縄文時代中期弥生時代後期・古墳時代にそれぞれ集落が営まれたことがわかった。なかでも古墳時代の鬼高期の住居跡が一〇軒ほどあり、次いで弥生時代の弥生町期や前野町期の住居跡が三軒確認されたが、このほかにかなりの住居跡が工事中に破壊された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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