出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
歌舞伎(かぶき)舞踊。長唄(ながうた)。本名題(ほんなだい)『英獅子乱曲(はなぶさししのらんきょく)』。作者不詳。1742年(寛保2)3月、江戸・市村座で初世瀬川菊之丞(きくのじょう)が初演。歌詞のなかに枕尽くしの文句があるのが通称の由来で、現存する「石橋(しゃっきょう)物」では最古の曲である。ただし、曲だけが残り、振(ふり)は長く絶えていたのを6世中村歌右衛門(うたえもん)が7世藤間勘十郎の振付けで復活。前半は傾城(けいせい)姿で手獅子を持って踊り、後半は同じ姿で肌脱ぎになり、牡丹笠(ぼたんがさ)をつけて獅子の狂いになる。遊里情緒にあふれた内容で、あくまでも女方(おんながた)の踊りである。なお、明治にできた『鏡獅子(かがみじし)』(1893)は、歌詞も曲も多くの部分をこの作品から取り入れている。
[松井俊諭]
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…元禄期には水木辰之助が〈今様能狂言〉で《花子しゝのらんぎょく》を演じ,早川初瀬が軽業の石橋を得意とした記録がある。現存最古のものは,1734年(享保19),初世瀬川菊之丞の《相生(あいおい)獅子》,続いて同人の《枕獅子》。初世中村富十郎の《執着獅子》にいたり,女方の〈石橋〉として完成をみた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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