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林家正蔵 はやしやしょうぞう

百科事典マイペディアの解説

林家正蔵【はやしやしょうぞう】

落語家。4代までは林屋と書いた。初代〔1780-1842〕は道具入り怪談噺(ばなし)ので,文政から天保にかけての名手。4代〔?-1879〕,5代〔1824-1923〕,6代〔1888-1929〕も怪談噺をよくした。

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世界大百科事典 第2版の解説

はやしやしょうぞう【林家正蔵】

落語家。4代までは林屋と書く。(1)初代(1780‐1842∥安永9‐天保13) 初代三笑亭可楽門下。怪談噺の創始者。戯作も書き,2代鹿野武左衛門(しかのぶざえもん)を名のった。(2)2代 生没年不詳。前身は托善(たくぜん)という禅僧。落語《野ざらし》《こんにゃく問答》の作者。(3)3代は2代の養子が継いだが,のちに離別して2代左楽(さらく)となった。(4)4代は麻布我善坊(がぜんぼう)に住んでいたので,〈我善坊の正蔵〉と呼ばれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

林家正蔵
はやしやしょうぞう

落語家。4代目までは「林屋」と書いた。[関山和夫]

初代

(1780―1842)初代三笑亭可楽(さんしょうていからく)門下。怪談噺(ばなし)(妖怪(ばけもの)ばなし)の祖。噺本(はなしぼん)や合巻の著作を残す。[関山和夫]

2代

生没年不明。もと托善(たくぜん)という曹洞(そうとう)宗の僧。『野ざらし』『こんにゃく問答』をつくる。[関山和夫]

3代

初代門人の林正(りんしょう)が継いだといわれるが不詳。[関山和夫]

4代

(?―1872)麻布我善坊(がぜんぼう)に住んだので「我善坊正蔵」といわれた。[関山和夫]

5代

(?―1923)本名吉本庄三郎(しょうざぶろう)。怪談噺の名手。晩年沼津に住み、100歳まで生きたということから「沼津の正蔵」「百歳正蔵」といわれる。[関山和夫]

6代

(1888―1929)本名今西久吉。2代目談洲楼燕枝(だんしゅうろうえんし)門下。桂枝(けいし)、春輔(はるすけ)、小燕枝(こえんし)を経て6代目正蔵を継ぐ。怪談噺を得意とした。[関山和夫]

7代

(1894―1949)本名海老名(えびな)竹三郎。柳家三語楼(さんごろう)門下。柳家三平から小三治を経て7代目正蔵襲名。『源平』『相撲(すもう)風景』『反対車』『素人鰻(しろうとうなぎ)』などを得意とした。昭和30年代、40年代の人気落語家林家三平(1925―80)の父。[関山和夫]

8代

(1895―1982)本名岡本義(よし)。三遊亭三福門下から出発し、4代目橘家円蔵(たちばなやえんぞう)、3代目柳家小さん一門に加わる。福よし、金八、二三蔵(ふみぞう)、円楽、馬楽(ばらく)を経て1950年(昭和25)8代目正蔵襲名。『火事息子』『淀(よど)五郎』などの落語のほか、人情噺、怪談噺、正本芝居噺に優れ、三遊亭円朝(えんちょう)の芸風を昭和50年代まで伝えた。著書も多い。晩年、林家彦六(ひころく)と名のった。[関山和夫]

9代

(1962― )本名海老名泰孝(やすたか)。7代目正蔵の孫。1978年(昭和53)父である林家三平に入門、林家こぶ平を名のる。三平の死後は林家こん平門下。87年真打ち昇進。テレビタレントとして活躍する一方で、古典落語にも精力的に取り組む。2005年(平成17)3月、9代目正蔵襲名。[関山和夫]
『麻生芳伸編『林家正蔵随談』(1967・青蛙房) ▽東大落語会編『林家正蔵集』上下・別巻「正蔵一代」(1974・青蛙房) ▽林家彦六著『正蔵世相談義』『噺家の手帖』(1982・一声社)』

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世界大百科事典内の林家正蔵の言及

【怪談】より

…幕末,三遊亭円朝も怪談噺に,《真景累ケ淵》《怪談牡丹灯籠》《鏡ケ池操松影(みさおのまつかげ)(江島屋騒動)》《怪談乳房榎》などを自作自演して人気を博した。近代にはいっては,春錦亭柳桜(しゆんきんていりゆうおう)(?‐1894),5代目林家正蔵が著名だが,最近では,7代目一竜斎貞山や林家彦六(8代目林家正蔵)が,しばしば口演して注目をあつめた。現在では,わずかに一竜斎貞水が孤塁を守っている。…

【落語】より

… 昭和落語の全盛期は,第2次大戦後,民間放送発足後におとずれた。軽妙な3代春風亭柳好(りゆうこう)(1889‐1956),明快な弁舌の3代三遊亭金馬,粋な3代桂三木助,近代落語の巨星8代桂文楽,独特の名人芸の5代古今亭志ん生,持ちネタの数と至芸を誇った6代三遊亭円生,人情噺,芝居噺の名手林家彦六(8代林家正蔵),新作の闘将5代古今亭今輔(いますけ)(1898‐1976)などが黄金時代を形成した。 1985年現在の東京には,〈落語協会〉に,滑稽噺の名手5代柳家小さん,新作の3代三遊亭円歌(1929‐ ),繊細で粋な2代古今亭志ん朝(1938‐ ),滑稽噺の人気者8代橘家円蔵(1934‐ ),飄逸な個性の10代柳家小三治(1939‐ )らがおり,〈芸術協会〉に,明朗な新作の4代桂米丸(よねまる)(1925‐ ),飄々たる妙味の新作の3代春風亭柳昇(1920‐ ),滑稽噺の10代桂文治らがおり,ほかに5代三遊亭円楽(1933‐ )一門,5代立川談志(1936‐ )一門などがあるが,志ん生,文楽などを筆頭にした名人上手の消えた穴は大きい。…

※「林家正蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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