宇宙物理学者。京都市生まれ。1940年(昭和15)第三高等学校卒業、1942年東京帝国大学理学部物理学科卒業。1946年(昭和21)より京都帝国大学理学部で研究に従事、1949年浪速(なにわ)大学(大阪府立大学)工学部助教授、1954年京都大学理学部助教授、1957年同教授となり、核エネルギー学講座を担当、1984年定年退官。日本を代表する宇宙物理学者であり業績は広い分野に及ぶが、とくに宇宙初期における元素の合成、星の進化、太陽系の起源の研究などが有名。林の太陽系起源論は「京都モデル」とよばれている。また、星の誕生期に高光度の時期があることを発見し、その理論は「ハヤシ・フェーズ」と名づけられている。研究面だけでなく教育面においても、日本の宇宙物理学における指導的研究者を数多く育成し「林スクール」とよばれている。仁科(にしな)賞、朝日賞、エディントン・メダル、学士院恩賜賞などを受けた。1982年文化功労者となり、1986年文化勲章、1995年(平成7)京都賞を受けた。
[松田卓也]
『林忠四郎編、佐藤文隆他著『星の進化――その誕生と死』(1978・共立出版)』▽『林忠四郎・早川幸男編『岩波講座 現代物理学の基礎11 宇宙物理学』第2版(1978・岩波書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ついに星の中心部で原子核反応が始まると,星は現在の太陽のような状態(主系列星)に落ち着く。このような原始星の収縮過程は,1962年に林忠四郎によって提唱され,ハヤシ・フェーズHayashi phaseと呼ばれている。生まれたばかりの星として観測されている星には,次のようなものがある。…
… 生まれたばかりの星は,半径の大きな赤色巨星である。林忠四郎は,それらは全体が対流層からなり,低温の有効温度を保って重力収縮する星となることを明らかにした。重力収縮は重力ポテンシャルエネルギーをエネルギー源とする進化であるが,明るい巨星の光度を保てる期間はたかだか1000万年程度である。…
※「林忠四郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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