柿羊羹(読み)カキヨウカン

デジタル大辞泉 「柿羊羹」の意味・読み・例文・類語

かき‐ようかん〔‐ヤウカン〕【柿羊×羹】

柿を煮詰めて作ったようかん。二つ割りの竹に詰めたりする。大垣市広島市郷土菓子 秋》

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精選版 日本国語大辞典 「柿羊羹」の意味・読み・例文・類語

かき‐ようかん‥ヤウカン【柿羊羹】

  1. 〘 名詞 〙 生干しの柿に砂糖や寒天を加えて作った練羊羹岐阜大垣市や広島市などの名産。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「どうです粗果だが一つ御撮(おつま)みなさい。岐阜の柿羊羹(カキヤウカン)」(出典虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一〇)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「柿羊羹」の意味・わかりやすい解説

柿羊羹
かきようかん

果実の風味を生かした練り羊かんの一種で、岐阜県大垣市と広島市の名物。大垣の柿羊羹は、1838年(天保9)槌谷(つちや)4代目の右助によりつくられた。美濃(みの)(岐阜県)特産堂上蜂屋(はちや)柿を生干(なまぼ)しにし、これに水飴(みずあめ)、砂糖を加え、寒天で煮つめて竹筒に流し込んだもので、練り羊かんというより、柿のゼリーかんといった感じである。容器が現在のような半月形になったのは、5代目祐斎(ゆうさい)のときで、短気な客が羊かんを取り出しにくいのに腹をたて、店先にたたきつけた際、真っ二つに割れた竹筒がヒントになったという。広島の柿羊羹には特産の西条柿が使われる。1897年(明治30)創業の扇屋が手がけ、このほうは干し柿を用いるところが大垣の仕法と異なっている。

[沢 史生

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デジタル大辞泉プラス 「柿羊羹」の解説

柿羊羹〔銘菓:秋田県〕

秋田県横手市、木村屋が製造・販売する銘菓庄内柿の干し柿をジャム状にし白餡に合わせて固めたもの。1902年(明治35年)創製

柿羊羹〔銘菓:岐阜県〕

岐阜県大垣市、槌谷が製造・販売する銘菓。大垣市の名物菓子として知られる。岐阜特産の渋柿「堂上蜂屋柿」を使用した羊羹。

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世界大百科事典(旧版)内の柿羊羹の言及

【干柿】より

…そのまま食べるほか,料理や菓子の材料にもされる。刻んだダイコンやニンジンと共におろし酢であえる〈柿なます〉,水あめや砂糖を加え寒天で固めた〈柿ようかん〉等がある。【鈴木 晋一】。…

※「柿羊羹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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