栗林公園(読み)リツリンコウエン

デジタル大辞泉 「栗林公園」の意味・読み・例文・類語

りつりん‐こうえん〔‐コウヱン〕【栗林公園】

香川県高松市にある県立公園。高松藩主松平頼重が築造し、延享2年(1745)ごろに完成した池泉回遊式庭園

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精選版 日本国語大辞典 「栗林公園」の意味・読み・例文・類語

りつりん‐こうえん‥コウヱン【栗林公園】

  1. 香川県高松市、紫雲山東側のふもとにある県立公園。歴代の高松藩主が吹上園を模して築造した回遊式庭園。国の特別名勝。御杯。

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日本歴史地名大系 「栗林公園」の解説

栗林公園
りつりんこうえん

[現在地名]高松市栗林町一丁目

紫雲しうん山の東麓にある県立公園。面積七四・八ヘクタール。紫雲山を背景とする園内は北庭南庭に分れ、南庭は松樹を基調として湧水や流れを配し、六所の池と一三の丘陵を調和させた大規模な回遊式林泉園。掬月亭・日暮亭・会仙亭などの茶亭がある。国の特別名勝に指定され、園内の根上りガシ、元禄(一六八八―一七〇四)以前移植のソテツの岡、樹齢三〇〇年といわれるモガシが県指定天然記念物。もとは高松藩主松平氏の別荘で、御林または栗林荘とよばれた。高松藩初代藩主松平頼重が入部した年の寛永一九年(一六四二)、しばしば御林へ出かけ調馬などを行っており(英公外記)、高松藩成立当初すでに別荘としての体裁をある程度整えていたと思われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「栗林公園」の意味・わかりやすい解説

栗林公園
りつりんこうえん

高松市栗林町にある県立公園。かつては栗林園とよばれた、わが国の代表的回遊式大名庭園。紫雲山(しうんざん)東麓(とうろく)に位置し、西湖、南湖、北湖、涵翠池(かんすいち)、芙蓉池(ふようち)、潺湲池(せんがんち)の六大水局、および飛来峰(ひらいほう)、小普陀(しょうふだ)、飛猿巌(ひえんがん)など十三大山坡(さんぱ)を配置し、園全体に60余景が包含されている。総面積は約75万平方メートルである。

 この地は室町時代のころ、南部の小普陀付近に普陀落寺(ふだらくじ)とその庭園があり、桃山時代には生駒親正(いこまちかまさ)の臣佐藤道益(みちます)の邸となった。生駒氏時代の庭園は現在の南湖全体、とくに飛猿巌付近がもっとも古く、これが当園の基盤になっている。しかし、本格的な大名庭園として整備されるのは江戸初期の1642年(寛永19)、徳川光圀(みつくに)の実兄頼房(よりふさ)の長男松平頼重(よりしげ)が移封されてからである。頼重は73年(延宝1)に隠退するや本園改造に着手した模様で、以後代々改修が続けられ、5代頼恭(よりちか)の1745年(延享2)に本園の古絵図ができているから、全庭の完成はそのころと考えられる。明治維新後、一時私有化されて荒廃したが、1875年(明治8)県有地となり、85年には県立公園として一般公開されるに至った。1953年(昭和28)特別名勝に指定。回遊の風景の変化を楽しむ庭であるが、多数の松林のみごとさは特筆すべきものがあり、石組(いわぐみ)では、南湖の中島の一つ天女島のものと、仙磯とよばれる岩島、掬月亭(きくげつてい)左方の七福神と称される石組などに優れた手法がみられる。

[重森完途]


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改訂新版 世界大百科事典 「栗林公園」の意味・わかりやすい解説

栗林公園 (りつりんこうえん)

高松市栗林町にあり,紫雲山を背景として面積75万m2余を占める大庭園。特別名勝に指定され,瀬戸内海国立公園の一部となっている。高松の最初の藩主生駒氏の時代には御林(おはやし)と呼ばれた御用林があり,備荒のためにクリの木が植えられていた。その中の下屋敷が栗林荘の前身である。1642年(寛永19)藩主となった松平頼重は栗林荘を改修し,64年(寛文4)ここに隠退した。南湖に臨む大茶屋(掬月(きくげつ)亭)はこのころに営まれ,さらに庭を北へと拡張した。その後も代々改修がつづけられ,1745年(延享2)5代頼恭(よりたか)のときに今日の原型ができあがったと考えられる(現在の掬月亭はこのときの修築)。その際,園内名所約60景の中国的名称が定められた。そのころの状況は高松藩侍読の中村文輔撰《栗林荘記》に詳しい。1875年県立公園となり,1911年より13年にかけて北部を大改造し,半洋風の庭園となった。香東(ごうとう)川の伏流水を利用した南湖・北湖を主とする六つの池と,高低さまざまな13の築山を配し,多くの橋と園路をめぐらした回遊式庭園で,その景観は日本三公園(兼六園,岡山後楽園,偕楽園)の上にあると評されている。
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百科事典マイペディア 「栗林公園」の意味・わかりやすい解説

栗林公園【りつりんこうえん】

香川県高松市にある公園(特別名勝)。市街地の南端,紫雲山麓にあり,面積0.75km2。もと高松藩主松平氏の別邸で,1875年公開。回遊式庭園で,準洋式の北庭には美術館,民芸館,動物園などがあり,純日本式の南庭は湧泉と松林を巧みに配置。瀬戸内海国立公園の一部。
→関連項目香川[県]高松[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「栗林公園」の意味・わかりやすい解説

栗林公園
りつりんこうえん

香川県高松市にある県立公園。面積約 74万 8700m2。市街地の南端,紫雲山麓にある。元松平藩主初代頼重の別邸で,5代頼恭のとき,延享2 (1745) 年に完成。 1875年,栗林公園として公開された。6つの池と 13の丘を基調に松と泉と石を巧みに配置した回遊式池泉庭園で,江戸城の吹上御苑を模したといわれている。半洋式の北庭と純日本式の南庭に2分され,松平氏の茶室掬月 (きくげつ) 亭から見た南湖の眺めが最もすぐれている。園内に栗林動物園,高松市立美術館,讃岐民芸館などがある。

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事典 日本の地域遺産 「栗林公園」の解説

栗林公園

(香川県高松市栗林町1-20-16)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

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事典・日本の観光資源 「栗林公園」の解説

栗林公園

(香川県高松市)
残したい香川の水環境50選」指定の観光名所。

栗林公園

(香川県高松市)
日本の都市公園100選」指定の観光名所。

栗林公園

(香川県高松市)
日本の歴史公園100選」指定の観光名所。

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