翻訳|inventory
企業の所有する商品、原材料などの資産について、一定時点でのその保有総量(在庫有高)を確認することをいう。そのような作業の対象となる資産を、会計学では棚卸資産という。企業経営における棚卸資産は、日々受入れと払出しを繰り返しているので、その状況の正確な把握が不可欠である。そのような目的のためには、まず受払いに関する個別の帳簿を作成することが適切であり、商品有高帳や材料元帳などがそれに該当する。これらの帳簿では、購入などによる受入数量とその金額、販売や消費などによる払出数量とその金額を継続的に記入していく。購入日が異なっている場合には購入単価が異なることが通例であるから、後者の払出金額の決定については購入口別法、先入先出法、移動平均法などの方法がある。このような数量と金額の加減によって、つねに在庫している数量と金額を帳簿のうえで把握することができる。このようにして在庫有高を確認することを帳簿棚卸という。
しかしながら、在庫有高の確認は帳簿棚卸だけでは不十分である。なぜならば、棚卸資産の保管場所(倉庫など)における在庫実数は、損傷、盗難などの原因によって物理的に減量していることがあり、また陳腐化などの理由によって実質的な意味で利用価値を失っているものもある。そこで、企業経営では、特定の日(月末や会計期末)を定めて、倉庫等の保管場所に現実に存在する資産の数量や現況を確かめる作業が必要となる。このような作業を実地棚卸とよんでいる。実地棚卸が前記の帳簿棚卸と比べて少ない場合には、その差の発生原因をしっかりと調査することが肝要であるが、このような差が生じた場合、これを棚卸減耗費(減耗損)とよんでいる。また棚卸に際しては棚卸資産の品質低下や陳腐化等の原因による価格面の下落も確認されることが多いが、そのような評価損はここにいう減耗費(減耗損)と区別される。企業経営の決算においては、このような手続によって貸借対照表に計上する棚卸資産評価額を決定することになるので、棚卸は重要な会計手続として位置づけられている。
企業経営においては、前記のような資産に関する棚卸ばかりでなく、借入金や手形等の負債の残高を確認することも同様に「棚卸」と表現することもある。
[東海幹夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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