日本歴史地名大系 「椎葉村」の解説 椎葉村しいばそん 宮崎県:東臼杵郡椎葉村面積:五三六・二〇平方キロ(境界未定)県の北西部、九州山地のほぼ中央に位置する。北は西臼杵郡五(ご)ヶ瀬(せ)町・熊本県上益城(かみましき)郡清和(せいわ)村、西は九州山地を挟んで同郡矢部(やべ)町・同県八代(やつしろ)郡泉(いずみ)村、東は諸塚(もろつか)村・西郷(さいごう)村・南郷(なんごう)村、南は西都市と児湯(こゆ)郡西米良(にしめら)村・熊本県球磨(くま)郡水上(みずかみ)村と接する。中央部を耳川が北東流し、南部は一ッ瀬川・小丸(おまる)川の源流域となっている。西は三方(さんぽう)山(一五七七・五メートル)・国見(くにみ)岳(一七三八・八メートル)・五勇(ごゆう)山(一六六二メートル)・烏帽子(えぼし)岳(一六九一・七メートル)・銚子笠(ちようしがさ)(一四八八・九メートル)が熊本県との県境をなし、南は市房(いちふさ)山(一七二〇・八メートル)・石堂(いしどう)山(一五四七・四メートル)・樋口(ひぐち)山(一四三四・六メートル)などによって米良山地に連なり、至るところに険しいV字峡谷を形成する。東西二七・五キロ、南北三三・五キロで、面積は県内市町村一の広さをもつ。幹線として日向市へ通じる国道三二七号、西米良村・五ヶ瀬町へ通じる同二六五号などがある。二六五号の五ヶ瀬町境には国見峠があり、南方の大河内(おおかわうち)には飯干(いいぼし)峠がある。飯干峠は西の飯干山(一一六二メートル)、東の高塚(たかつか)山(一二八九・九メートル)の鞍部に位置し、標高は一〇五〇メートル。矢立(やたて)で湯山(ゆやま)峠を経て水上村から熊本県人吉市に至る国道三八八号を分岐する。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「椎葉村」の意味・わかりやすい解説 椎葉〔村〕しいば 宮崎県北西部,耳川の源流域にあり,西を熊本県に接する村。村域の大部分は九州山地で,耳川の谷間に集落が散在し,平家の落人が住みついた隠田集落が起源といわれる。中世末期は那須氏領,のち天領を経て人吉藩領となった。 1955年上椎葉に日本最初のアーチ式ダム,上椎葉ダム (高さ 110m,全長 340m,有効落差 144m) が完成。ダムの下流に上椎葉発電所がある。有名な民謡『ひえつき節』の舞台とされる上椎葉の那須家住宅 (鶴富屋敷) は重要文化財に指定。十根川神社の八村スギと大久保の大ヒノキはともに天然記念物。重要無形民俗文化財の椎葉神楽を伝える。国道 265号線,327号線,388号線が通じる。面積 537.29km2。人口 2503(2020)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by