楠山正雄(読み)クスヤママサオ

デジタル大辞泉 「楠山正雄」の意味・読み・例文・類語

くすやま‐まさお〔‐まさを〕【楠山正雄】

[1884~1950]演劇評論家・児童文学者。東京の生まれ。近代劇翻訳内外童話神話を紹介した。著「日本童話宝玉集」など。

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精選版 日本国語大辞典 「楠山正雄」の意味・読み・例文・類語

くすやま‐まさお【楠山正雄】

  1. 演劇評論家。児童文学者。東京出身。早稲田大学英文科卒。島村抱月芸術座に加わって演劇評論、戯曲翻訳、劇作の筆をとり、近代劇の発展尽力。童話・伝説の翻訳、創作も多い。著に「近代劇十二講」「日本童話宝玉集」など。明治一七~昭和二五年(一八八四‐一九五〇

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20世紀日本人名事典 「楠山正雄」の解説

楠山 正雄
クスヤマ マサオ

明治〜昭和期の演劇評論家,児童文学者



生年
明治17(1884)年11月4日

没年
昭和25(1950)年11月26日

出生地
東京・銀座

学歴〔年〕
早稲田大学英文科〔明治39年〕卒

経歴
明治39年早稲田文学社に入り「文芸百科全書」を編集。42年読売新聞社に入り、44年冨山房に転社。44年「菊五郎と吉右衛門と」を発表して劇壇に認められ、以後演劇評論家として活躍。45年「シバヰ」を創刊し「死の前に」「油地獄」などの戯曲を発表。大正2年早大講師となり、4年辞任。芸術座の脚本部員となるが、8年芸術座が解体し、劇団から去る。その後「赤い鳥」などに児童文学を発表し、児童文学作家として活躍。「日本童話宝王集」「歌舞伎評論」など数多くの著書がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楠山正雄」の意味・わかりやすい解説

楠山正雄
くすやままさお

[生]1884.11.4. 東京
[没]1950.11.26. 東京
児童文学者,演劇評論家。 1906年早稲田大学英文科卒業。早稲田文学社に入り,島村抱月指導のもとで『文芸百科全書』 (1909) を編集。 13年抱月の芸術座に入り翻訳や脚色にあたったが,抱月の死後は画家岡本帰一と協力して 15年から『模範家庭文庫』 (24巻) を編集,同文庫に『イソップ物語』 (16) ,『世界童話宝玉集』 (19) ,『日本童話宝玉集』 (21~22) その他を続々と発表して児童図書新紀元を画した。日本童話作家協会の創立 (26) にも尽力,冨山房の『日本家庭大百科事彙』 (31) ,『国民百科大辞典』 (38) を編集,早稲田大学で近代劇を講じるなど,地味ではあるが多方面に活躍した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「楠山正雄」の意味・わかりやすい解説

楠山正雄
くすやままさお
(1884―1950)

児童文学の翻訳家、作家、演劇研究者。東京・銀座の生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。初め早稲田文学社、読売新聞、冨山房(ふざんぼう)の編集に携わった。冨山房発行の『模範家庭文庫』全23冊(1916~32)には、自らも『アラビアン・ナイト』『イソップ物語』、外国名作童話、日本の伝説や昔話の翻訳、再話を手がけ、児童図書の画期的な発展に寄与した。のち『赤い鳥』(1918創刊)、『童話』(1920創刊)、『金の星』(1922年『金の船』を改題)など、大正期の代表的な童話雑誌に多くの翻訳、再話を発表した。また、島村抱月の芸術座に加わり、演劇批評や戯曲の翻訳に活躍した。主著に『世界童話宝玉集』(1919)がある。

[岡田純也]

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百科事典マイペディア 「楠山正雄」の意味・わかりやすい解説

楠山正雄【くすやままさお】

児童文学者,演劇評論家。東京生れ。早大英文科卒。早稲田文学社を経て冨山房に入社,《国民百科大辞典》などを編集。かたわら戯曲の翻訳や創作,演劇評論,児童文学の翻訳,創作にも活躍,また母校で西洋演劇史や近代劇を講じた。《近代劇選集》《近代劇十二講》《イソップ物語》《日本童話宝玉集》などがある。
→関連項目芸術座

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「楠山正雄」の解説

楠山正雄 くすやま-まさお

1884-1950 明治-昭和時代の演劇評論家,児童文学者。
明治17年11月4日生まれ。はじめ劇評でみとめられる。大正2年島村抱月の芸術座にはいり,ツルゲーネフ「その前夜」,ハウプトマン「沈鐘」などを翻訳・脚色。また冨山房で児童文学の編集・翻訳にあたった。昭和25年11月26日死去。66歳。東京出身。早大卒。著作に「近代劇十二講」「世界童話宝玉集」など。

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367日誕生日大事典 「楠山正雄」の解説

楠山 正雄 (くすやま まさお)

生年月日:1884年11月4日
明治時代-昭和時代の演劇評論家;児童文学者
1950年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の楠山正雄の言及

【絵本】より

…この《日本一ノ画噺》や鹿島鳴秋の《オハナシ》5冊(1913)を出した中西屋がそのころの良質の絵本出版を代表する。 ついで大正中期に模範家庭文庫を出した冨山房で,楠山正雄の《画(え)とお話の本》3冊(1925‐26)を出したが,その画家たちは,大正中期に輩出した絵雑誌のプールに負っている。1914年に《子供之友》,21年に《コドモノクニ》,23年に《コドモアサヒ》が出て,岡本帰一,清水良雄,武井武雄,川上四郎,初山滋,村山知義,本田庄太郎たちがそれらによって活躍した。…

※「楠山正雄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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