様似町(読み)さまにちよう

日本歴史地名大系 「様似町」の解説

様似町
さまにちよう

面積:三六四・二九平方キロ

昭和二七年(一九五二)四月様似郡様似村が町制を施行して成立。旧様似村時代の一一字を継承。日高支庁管内の南東部に位置し、南東はえりも町、北西浦河うらかわ町、北東は十勝支庁広尾ひろお郡広尾町に接し、南は太平洋に面する。広尾町との境界には日高山脈南端部の山々が連なり、これらの山々を水源とする幌満ほろまん川が町域中央部やや東寄りを北から南に貫流して太平洋に注ぐ。一方、町域の西部は様似川の流域である。幌満川の下流西側にはピンネシリ(標高九五八・二メートル)アポイ岳(八一〇・六メートル)と続く山塊があり、アポイ岳の山裾が海に落ちるところには日高耶馬渓ひだかやばけいとよばれる海食崖が発達、奇勝絶景の海岸線が続いている。町域の海岸線に沿って国道三三六号、JR日高本線が走る。日高本線は様似駅で終点となり、えりも町・広尾町にはJRバスが連絡している。

近世には初めアブラコマ場所、一七九九年(寛政一一年)に東蝦夷地が幕府直轄領となってからはシャマニ場所(東部は一時期ホロイツミ場所)に所属。明治二年(一八六九)八月の国郡画定により様似郡となり、同六年までに様似村など二三ヵ村が成立(「日高国地誌提要」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「様似町」の意味・わかりやすい解説

様似〔町〕
さまに

北海道南部,太平洋に面する町。日高山脈南端に位置する。1952年町制。地名はアイヌ語サンマウニ(枯れ木のあるところの意)に由来。寛政11(1799)年,江戸幕府により様似会所が設けられ,文化3(1806)年には蝦夷三官寺の一つ,等澍院(とうじゅいん)が建立された。主産業はコンブカレイサケなどの沿岸漁業,日高山脈の林業,競走馬育成,畜産。南東部アポイ岳(810m)には 80種を数える高山植物が群生し,特別天然記念物に指定されている。幌満川(ほろまんがわ)上流の幌満ゴヨウマツ自生地(天然記念物),海食崖の日高耶馬渓もあり,一帯日高山脈襟裳国定公園に属する。国道336号線が海岸沿いを通る。面積 364.30km2。人口 4043(2020)。

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