権力関係(読み)ケンリョクカンケイ

デジタル大辞泉 「権力関係」の意味・読み・例文・類語

けんりょく‐かんけい〔‐クワンケイ〕【権力関係】

権力行使による、支配服従との関係。特に、行政主体である国や公共団体に、私人に対する法的優越性が認められる関係。

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精選版 日本国語大辞典 「権力関係」の意味・読み・例文・類語

けんりょく‐かんけい‥クヮンケイ【権力関係】

  1. 〘 名詞 〙 合法的な権力の行使により成立する支配、服従の社会関係。国または公共団体が、私人に対して法的優越性をもつ関係にあること。支配関係。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「権力関係」の意味・わかりやすい解説

権力関係
けんりょくかんけい

行政上の法律関係 (→行政法 ) のうち,国または公共団体が私人に対して優越的な意思の主体として行う公権力行政に関するものをいう。支配関係ともいい,非権力関係に対比される。権力関係においては,たとえば建築基準法に基づく違反建築物の是正命令,営業規制のための諸法律に基づく営業の許可,土地収用法に基づく権利取得裁決などのように国や公共団体が私人に対して一方的に命令し,または一方的に法律関係を形成することが認められる。このような権力関係を形成する公権力の行使は法律に基づかなければならない。また,私人がそのような公権力の行使を争うには抗告訴訟手続によらねばならず,これらの行為が正式な手続により取消されるまでは,なんぴとに対しても一応拘束力あることを要求する力 (→公定力 ) が認められる場合がある。さらに,私人の側の義務不履行に対して行政上の強制執行が認められる場合もある。ところで,権力関係に対して,明文の法規定がない場合私法規定が適用されるかどうかの問題について,従来は,民法の信義誠実の原則権利濫用禁止規定および期間時効の定めを除いては否定されてきたが,近年では権力関係と非権力関係とを問わず,それぞれの法律関係の具体的性質と機能に即して判断すべきだとする見解が有力となっている。

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