住井すゑの全7部5500枚に及ぶ長編小説。1957年(昭和32)、夫の犬田卯(しげる)を失ったのち、茨城県稲敷(いなしき)郡牛久(うしく)町(現牛久市)で執筆を開始。第1部950枚は部落問題研究所の機関誌『部落』に連載されているが、これは夫の遺骨を東京・青山の無名戦士之墓に納めたその足で部落解放同盟を訪ね、「今日から人間解放の仕事に参加させてほしい」と申し出て、実現したものだという。第1部は61年、新潮社から刊行。第2部からは書き下ろしで、93年に第7部を刊行して完結。36年がかりの大作である。舞台は奈良県。明治41年(1908)以降の、主人公の孝二や和一らの解放を求める生き方が、熱っぽく描き出されている。この膨大な社会・思想小説の根底には、少女時代から抱き続けてきた被差別部落の存在に対する憤りと、彼らへの深い愛情が横たわっており、それが読者に抜き差しならぬ感銘をもって迫ってくる、隠れたロングセラー小説となった。
[古林 尚]
『『橋のない川』全7冊(新潮文庫)』
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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