檳榔子(読み)ビンロウジ

デジタル大辞泉 「檳榔子」の意味・読み・例文・類語

びんろう‐じ〔ビンラウ‐〕【××榔子】

ビンロウジュ種子薬用染料利用

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「檳榔子」の意味・読み・例文・類語

びんろう‐じ ビンラウ‥【檳榔子】

〘名〙
① ビンロウジュの果実。薬用・染色用とする。薬用としては、条虫駆除、下痢、皮膚病頭痛などに、染色用には、煮詰めた煎汁褐色黒褐色に布を染める。また広く、ビンロウジュの木をさしていう。びろうじ。びにろう。
正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献薬帳「檳榔子七百枚」
檳榔子染で染めた色。暗黒色の染色。
※俳諧・此日(1694)「たばこをあらく刻む小刀紫紅下染に心をつくる檳榔子〈桃隣〉」

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「檳榔子」の解説

びんろうじ【檳榔子】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)一つ。ヤシ科ビンロウヤシの種子。健胃降圧(こうあつ)駆虫抗菌抗ウイルスなどの作用がある。高血圧動脈硬化肩こりに効く九味檳榔湯(くみびんろうとう)更年期障害、産前産後の神経症に効く女神散(にょしんさん)などに含まれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の檳榔子の言及

【ビンロウ(檳榔)】より

…インドまたはマレーシアの原産で,東アジアの熱帯に広く栽培されている。ビンロウの果実は檳榔子(びんろうじ)といわれるが,薬用,染料とするため,奈良時代の756年(天平勝宝8)ころにすでに輸入された記録がある。未熟の果実を採集して繊維質の外皮をのぞき,胚乳を縦に2あるいは4分割し,これに石灰をまぶし,キンマの葉で包んで少しずつかじると麻酔的な効果により爽快な気分になる。…

※「檳榔子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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