化学式Ca(ClO)2。水酸化カルシウム(消石灰)Ca(OH)2の粉末に塩素を吸収させると,
2Ca(OH)2+2Cl2─→Ca(ClO)2+CaCl2+2H2O
の反応で,この物質と塩化カルシウムを含む白色粉末(さらし粉)が得られる。これは殺菌,消毒,漂白などに広く用いられる安価な強酸化剤であるが,ふつう未反応のCa(OH)2が含まれ,有効成分であるCa(ClO)2はその中の塩素量(有効塩素量)に換算して30~38%程度しかない。しかし,消石灰を水で濃い乳状にした石灰乳に塩素を吸収させると,Ca(ClO)2・3H2Oを主成分とする,さらに強い酸化剤(高度さらし粉)が得られ,有効塩素量は60~75%に達する。これをさらに精製して得た3水和物は,潮解性のある無色の針状結晶で,水に溶けて酸素を,酸に溶けて塩素を発生し,これが上の酸化作用の原因となる。無水和物,2水和物,4水和物も知られている。さらし粉以外の漂白剤の原料ともなり,分析化学の標準液としても用いられる。
→晒(さらし)粉
執筆者:曽根 興三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
Ca(ClO)2(142.98).無水物のほかに,二,三,四水和物も得られているが,いずれも100% 純粋なものは得にくい.実用されるさらし粉は,普通,約50%(高度さらし粉は70% 以上)のCa(ClO)2を含む.純品は,水酸化カルシウムと次亜塩素酸または一酸化二塩素Cl2Oとの反応でつくり,減圧乾燥すると得られる.無水物は無色の粉末.室温では比較的安定であるが,150 ℃ 以上では急激に分解する.潮解性で,水に易溶.強い酸化作用を示す.殺菌(プールの水など),漂白,酸化剤,分析試薬などに用いられる.[CAS 7778-54-3]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…漂白粉,カルキともいう。次亜塩素酸カルシウムを有効成分とする白色粉末で,アルコールや水によく溶ける。塩素に似た刺激臭を放ち,次亜塩素酸ナトリウム,亜塩素酸ナトリウムなどとともに強い酸化漂白作用をもつ。…
※「次亜塩素酸カルシウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加