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歌の本 うたのほんBuch der Lieder

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

歌の本
うたのほん
Buch der Lieder

ドイツの詩人 H.ハイネの抒情的処女詩集。 1827年刊。「若い悩み」「抒情挿画」「帰郷」「ハルツの旅から」,そしてそれまでドイツの詩人が扱うことのなかった海をテーマとした「北海」の5部に分れている。全世界で愛誦されている青春詩集で,曲をつけられているものも数多く「ローレライ」「歌の翼に」「近衛兵 (擲弾兵) 」などは有名。詩的創造力の最も充実したこの詩集によって詩人ハイネの名は世界的となった。

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百科事典マイペディアの解説

歌の本【うたのほん】

ハイネの詩集。1827年刊。二人のいとこへの悲恋を基調とする,作者の初期抒情詩の集大成。〈若き悩み〉〈抒情的間奏曲〉〈帰郷〉〈ハルツの旅より〉〈北海〉の5部からなり,シューベルトシューマンの歌曲集にはいっている詩も多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

うたのほん【歌の本 Buch der Lieder】

ドイツの近代抒情詩人として,ハイネの名を世界に高めた青年期の詩集。それまで発表した詩を精選し,1827年に刊行。ハイネの生存中に13版を重ね,当時にしては空前のベストセラーであった。日本にこの詩集を紹介した訳者は,森鷗外に始まり,尾上柴舟生田春月らを経て井上正蔵に至る。《歌の本》の前半では,ドイツ・ロマン派の伝統の中で独自の世界を築きあげたハイネが,報われぬ恋の苦悩を主題とするさまざまの美しいバリエーションを展開する(〈若き悩み〉〈抒情的間奏曲〉〈帰郷〉)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

歌の本
うたのほん
Buch der Lieder

ドイツの叙情詩人ハイネの名を世界に広めた青年期の詩集。1827年刊。わが国にこの詩作品を紹介した訳者は、森鴎外(おうがい)に始まり、井上正蔵に至る。ハイネはドイツ・ロマン派の伝統を受け継ぎながら、報われぬ恋の苦悩を主題とするさまざまの美しいバリエーションを展開する(『若き悩み』『叙情的間奏曲』『帰郷』)。しかし、心のなかに「世界の亀裂(きれつ)」を感じ取る詩人は、彼の「世界苦」を「現代のトロヤの戦い」に向けて解き放とうとする(『ハールツの旅より』)。そこから、ドイツ近代詩に類例をみない一連の大胆な自由韻律の詩群(『北海』)が生まれる。まさしくそれは、ドイツ・ロマン派の伝統を革新する若いハイネの野心的な第一歩といえよう。[林 睦實]
『井上正蔵訳『歌の本』(岩波文庫)』

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