正味・正身(読み)しょうみ

精選版 日本国語大辞典 「正味・正身」の意味・読み・例文・類語

しょう‐み シャウ‥【正味・正身】

〘名〙
① 皮、滓(かす)、屑など付属している部分や、装飾の部分を除いた真実の内容。本当の中身。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※地方官会議日誌‐八・明治八年(1875)六月二九日「全案中正味甚少し。殆と無益に属するか如し」
② 本当のもの。本物。正物(しょうぶつ)現物。また、裏面にかくされた真実。本当のところ。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一「各かわった我好(このみ)々を云ほどにどれが正味ぞしらぬぞ」
浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)中「正味で借った銭ではなし、数斗の勝負づく」
③ 実際の数。うそやごまかしのない真実の数量や目方
※菊宛一茶書簡‐文化一四年(1817)三月三日「当月中ごろより、そろそろ上総の方に可参候へども、正味四月一月(ひとつき)にて」
女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉五「管糸出来高の正味量目に対して賃金を支払ふ工場がある」
④ 特に、掛値なしの値段。正価。また、仕入値段。
※小津桂窓宛馬琴書簡‐天保三年(1832)一二月八日「われら商人ならねば、板元より正味何程に候と申候へば、その通りにいたし、代銀遣し候」
⑤ 風袋(ふうたい)の重さを除いた、商品だけの重さ。〔俚言集覧(1797頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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