正智院(読み)しようちいん

日本歴史地名大系 「正智院」の解説

正智院
しようちいん

[現在地名]高野町高野山

谷上院たにがみいん谷の南東部、西さい塔の北側にある。本尊阿弥陀三尊は快慶の作と伝える。別格本山。院号は開基教覚正智房の名に由来するという(続風土記)。教覚は永久五年(一一一七)没と伝える(諸院家析負輯)。なお文明五年(一四七三)の諸院家帳には懐賢の建立とある。室町時代初期の血脈中院(三宝院蔵)によれば龍光りゆうこう院明算(嘉承元年没)弟子に正智院懐賢平等房なる人物があり、また同書には正智房教覚が大治元年(一一二六)伝法灌頂を受けた記録があるので、懐賢は教覚以前の人物と思われるが、いずれが開基かは確定しがたい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正智院」の意味・わかりやすい解説

正智院
しょうちいん

和歌山県高野町にある高野山真言宗の別格本山。本尊は阿弥陀三尊。正智房教覚が開山,本覚房道範中興,平等房懐賢が開基とされている。古代から中世近世を通じて多くの学僧輩出。唐代の『文館詞林残巻』 (12巻) が国宝に指定されているほか,奈良時代の『仏頂尊勝陀羅尼経』 (1巻) ,唐代の『銅五鈷鈴』,平安中期の木造『不動明王坐像』,鎌倉時代の木造『毘沙門天立像』などの重要文化財を伝える。

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