此れ此れ(読み)コレコレ

デジタル大辞泉 「此れ此れ」の意味・読み・例文・類語

これ‐これ【×此れ×此れ/是】

多く事柄一つ一つ取り上げないで、内容を省略して包括的に言う語。かくかく。しかじか。「―の理由で来られないそうだ」
これとこれ。この物とこの物。
「―御覧ぜさせ給はば」〈宇津保春日詣
[類語]こうこうかようこんなこういうこのようかかるこう斯くしかじかなになにかなにかしらなになに斯く斯く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「此れ此れ」の意味・読み・例文・類語

これ‐これ【此此・是是】

  1. [ 1 ] 〘 代名詞詞 〙
    1. これとこれ。この物とこの物。
      1. [初出の実例]「そわうの君に、『これこれ御らんぜさせ給はば、このはな給はりておき給つれ。いまただいま』とてうちにまゐりぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)
    2. 江戸吉原松葉屋の通言。ある物や人を暗にさしていうことば。
      1. [初出の実例]「じつはこれこれがないと申やうな事とみへます」(出典:洒落本・蕩子筌枉解(1770)詠史)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 いろいろな物事を観念的、包括的にとらえて、それを指示する。かくかく。しかじか。
    1. [初出の実例]「そなたの妻はこれこれのはたらきかをりないかと云也」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android