何何(読み)ナニナニ

デジタル大辞泉 「何何」の意味・読み・例文・類語

なに‐なに【何何】

[代]不定称の指示代名詞。不明なものや不確定なものを並べあげるのに用いる。何と何。また、一つ一つ内容を具体的に記す必要のないときに用いる。「遠足には何何を用意したらいいのか」「第一条何何、第二条何何
[感]
手紙・書類などを読みはじめるとき、何が書いてあるのかなというような感じで発する語。「何何、いったい何の用かな」
相手の言ったことを受け、それを確認、反問しようとするときに発する語。「何何、もう一遍言ってくれ」
前の事柄を否定して、自分の考えなどを述べようとするときに発する語。「何何一晩くらい寝なくとも大丈夫だ」
[類語]なになにかなにかしらこれこれこうこうかようこんなこういうこのようかかるこう斯く斯くしかじか

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「何何」の意味・読み・例文・類語

なに‐なに【何何】

  1. [ 1 ] 〘 代名詞詞 〙 ( 「なに(何)[ 一 ]」を重ねたもの )
    1. 一つ一つの名称の不明なもの、または、名称を問題にする必要のないようなものを列挙していうのに用いる。あれこれ。
      1. [初出の実例]「ここら親が時の宝、櫛笥(くしげ)のなになにも惜しきものなく失ひ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
    2. 近世誓言を立てる時に、いろいろな神を勧請して誓いのことばを述べるが、これを略して表現する時に用いる。
      1. [初出の実例]「急き行て一夜あそび給へ、なになにの誓言ぞ、我等のねたみ心はなし」(出典:咄本・一休咄(1668)四)
  2. [ 2 ] 〘 感動詞 〙 ( 「なに(何)[ 四 ]」を重ねたもの )
    1. 前の事柄や想定される事柄を否定して、自分の判断や意志を強く述べるときに用いる。
      1. [初出の実例]「『ナニナニ一終夜(ばん)くらゐ寐なくっても』」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)三)
    2. 手紙や文書などを読みはじめる時に、ちょっと態度を改めて、何が書いてあるのかな、というような感じを込めていう。
      1. [初出の実例]「取り上げ読みて見れば、なになに、そもそもわが国は」(出典:謡曲・金札(1384頃))
    3. 相手のことばを受け、それをとがめて中途で押しとめたり、相手の話の内容に不審をもち、もう一度確かめようとしたりするときにいう。

どれ‐どれ【何何】

  1. [ 1 ] 〘 代名詞詞 〙 ( 代名詞「どれ(何)」を重ねて強めたもの ) 不定称。不定の人や物事についていう。
    1. 事物をさす。
      1. [初出の実例]「八州と云はとれとれであらうぞ」(出典:史記抄(1477)五)
    2. 人をさす。多く「も」「にも」を伴って「話題の範囲中のすべての人」の意で用いる。
      1. [初出の実例]「殊には男子女子、そのかず数多もち給ふ。どれどれもちゑさいかく、げい能いふはかりなく」(出典:御伽草子・木幡狐(室町末))
  2. [ 2 ] 〘 感動詞 〙 「どれ(何)[ 二 ]」を強めたいい方。相手を促したり、自らはずみをつけて何かをしたりするときに発することば。
    1. [初出の実例]「『是でござる』『どれどれ、是をは何にせうと思ふてもってきたぞ』」(出典:虎明本狂言・末広がり(室町末‐近世初))

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