何かしら(読み)ナニカシラ

デジタル大辞泉 「何かしら」の意味・読み・例文・類語

なにか‐しら【何かしら】

[副]《「なにかしらん」の音変化》
何かわからないあるものを示す。なにか。「行けば必ず何かしら得るものがある」
理由などがはっきりしないことを示す。どういうわけか。なぜか。
「苦しいままに、―気の遠くなるような快感を」〈志賀暗夜行路
[類語](1なになにかなになにこれこれこうこうかようこんなこういうこのようかかるこう斯く斯くしかじか/(2何だかなんとなくそこはかとないほんのり何とはなしどことなくそれとなしに心なし思いなしかほのかぼけっと朦朧もうろうぼやける雲をつかむ不確かもやもや曖昧曖昧模糊模糊ファジー茫乎ぼうこぼうっと茫茫漠漠不明瞭茫漠もやくやもやつくぼんやり彷彿ほうふつ不鮮明憂鬱憂さ鬱気気鬱鬱鬱陰鬱鬱然鬱陶しい物憂い暗鬱沈鬱くよくよくしゃくしゃ重苦しいくさくさ滅入る塞ぐ塞ぎ込む気塞ぎ悶悶もんもんやるせないくすぶるわだかまる意気消沈暗澹あんたん胸騒ぎ怪訝けげんいぶかしいいぶかる辛気歯がゆいいらいら

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精選版 日本国語大辞典 「何かしら」の意味・読み・例文・類語

なにか‐しら【何しら】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「なにかしらん」の変化した語 )
  2. 実体を特定しないまま指示する。どういう点か。どういうものか。なにか。
    1. [初出の実例]「新参の内は古参にいぢめられるし、何かしら気段をしねへぢゃア、あちこちがをかしくねへから」(出典:滑稽本・古今百馬鹿(1814)下)
    2. 「撥入れだとか、羽織だとか、なにかしら持って来たものを」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
  3. 原因、理由が不明であることを示す。どういうわけか。どうしたことか。
    1. [初出の実例]「何かしら心持だけははっきりあるがさてとりとめのありそうもない」(出典:都会の憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉)

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