然然(読み)ササ

デジタル大辞泉の解説

さ‐さ【然】

[副]《副詞「さ」を重ねた語》しかじか。具体的な叙述を省略するときに用いる。
「―の所よりなりけりと聞き給ひて」〈かげろふ・中〉

しか‐じか【然】

《古くは「しかしか」か》
[副](「云云」とも書く)繰り返して言わないとき、わかりきったことをいちいち言わないとき、または必要のないことなので省略するときなどに、その代わりに用いる。かようかよう。かくかく。うんぬん。「彼はこれこれ然然の理由で出席できないという」
[感]あいづちを打つときに用いる語。そのとおり。そうそう。
「―、いと興あることなり」〈大鏡・序〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

ささ【然然】

( 副 )
これこれ。しかじか。 「 -の所よりなりけりと聞き給ひて/蜻蛉

しかしか【然然】

( 感 )
〔「しか」を重ねた語〕
そうそう。そのとおり。 「 -、さはべりし事也/大鏡

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

さ‐さ【然然】

〘副〙 (副詞「さ」の重なったもの)
① 同意を表わす。そうそう。さようさよう。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「『これはなににすべき物ぞ』とて見すれば『ささ、これしていとようつかうまつるべかめり』」
② 具体的な叙述を省略し、内容の存することだけを形式的に指示する。しかじか。
蜻蛉(974頃)下「今はかたちをもことになしてむとてなん、ささのところに月ごろはものせらるる」

そう‐そう さうさう【然然】

[1] 〘副〙
① 「そう」を重ねて、繰り返し、または継続を表わす。そんなにそんなに。そのようにずっと。
※天草本伊曾保(1593)パストルの事「カイソダツル ヒツジヲ コロイテ イノチヲ ツイダ。Sǒsǒ(サウサウ) スルホドニ、ヤウヤウ ヒツジヲモ コトゴトク クイツクシ」
② (あとに打消の語を伴って) それほどに。そんなに。「そんなにいつまでも」「そんなにたびたび」の意で使われることが多い。
※浄瑠璃・生玉心中(1715か)上「そうそうは見ていられず」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「それんばかぢゃ足らないから一円呉れろと云ふんですよ。(サ)う然うは方図が無いと思って」
[2] 〘感動〙
① 今まで忘れていたことを思い出した時に用いる語。
※めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉二「待て頂戴よ! たしか、参りました。さうさう、参りましたとも」
② 相手のことばに同意する気持を表わす語。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一「知らんと云った事のない先生が、さうさうあすこは実に名文だといった」

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