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武蔵鐙 ムサシアブミ

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デジタル大辞泉の解説

むさし‐あぶみ【武×鐙】

サトイモ科の多年草。関東地方以西の海岸近くの林内にみられる。5月ごろ、仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた太い穂を出す。苞は上部が幅広く、鐙状をしている。
武蔵国で作られた。鋂(くさり)を用いないで、透かしを入れた鉄板にして先端に刺鉄(さすが)をつけ、直接に鉸具(かこ)としたもの。
[補説]鐙の端に刺鉄を作りつけにするところから、和歌では「さすが」に、また、鐙は踏むところから「踏む」「文(ふみ)」にかけて用いられる。
「むさしあぶみさすがにかけて頼むには問はぬもつらし問ふもうるさし」〈伊勢・一三〉

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世界大百科事典 第2版の解説

むさしあぶみ【武蔵鐙】

仮名草子。2巻2冊。浅井了意作といわれる。1661年(寛文1)刊。後印に76年(延宝4),1772年(安永1)印本があり,その内容からも広く人口に膾炙(かいしや)したようである。俗に〈振袖火事〉といわれる明暦3年(1657)正月の江戸大火(明暦の大火)の見聞記であり,江戸生れの楽斎坊という道心者が上洛し,北野天満宮で旧知の小間物売りにその惨状を語る,というルポルタージュ文学とも称すべき形式をとる。かなり正確な記録・数値と,リアルな描写に特徴がある。

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大辞林 第三版の解説

むさしあぶみ【武蔵鐙】

昔、武蔵国で作られた鐙。鐙に鉄板が連なり、その先に刺鉄さすがを付けたもの。和歌では、「さすが」に、また鐙は踏むところから「ふみ」にかけて用いる。 「 -さすがにかけて頼むには/伊勢 13
サトイモ科の多年草。関東以西の林内に生える。根葉は二個つき、三出複葉。五月、花茎を立てて棍棒状の肉穂花序をつける。花序は黒の縦縞たてじまがある鐙状の仏炎苞ぶつえんほうに包まれる。

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世界大百科事典内の武蔵鐙の言及

【柴垣踊】より

…明暦(1655‐58)から天和(1681‐84)年間に流行した奴踊の一種で,たんに柴垣ともいう。2人が向きあい手や胸を打ち合わせながら歌い踊る野鄙(やひ)な踊りで,浅井了意の《武蔵鐙(むさしあぶみ)》(1661)に〈此の頃北国の下部(しもべ)の米つき歌とかや,柴垣といふ事世にはやりて,歴々の会合酒宴の座にても,第一の見ものとなり〉と記す。続けて〈いやしげにむくつけき荒男のまかり出,黒く汚なき肌をぬぎ,えも云はぬつらつきして,目を見出し口をゆがめ,肩を打ち胸を叩き,ひたすら身をもむこと狂人のごとし,右に左にねぢかへり,あふのきうつぶきあがきけるを,座中声をたすけ,手を打て,諸共に興ぜられし〉と芸態を記す。…

※「武蔵鐙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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