(読み)ショク

デジタル大辞泉 「殖」の意味・読み・例文・類語

しょく【殖】[漢字項目]

常用漢字] [音]ショク(漢) [訓]ふえる ふやす
もとのものから次々とふえる。ふやす。「殖財殖産貨殖生殖増殖繁殖養殖利殖
ふやし蓄えたもの。「学殖
土地を開拓するため人を移住させる。「殖民拓殖
[補説]3は「」と通用する。
[名のり]え・しげる・たね・なか・のぶ・ます・もち

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精選版 日本国語大辞典 「殖」の意味・読み・例文・類語

うまわしうまはし【殖】

  1. 〘 名詞 〙 利殖させること。利益。
    1. [初出の実例]「酒を作り利(ウマハシ)を息(いら)す〈国会図書館本訓釈 利 于万皮志(ウマハシ)又云母寸〉」(出典日本霊異記(810‐824)中)

殖の補助注記

動詞「うまわす(殖)」(ただし、用例未発見)から転成した名詞と考えられる。


うまわりうまはり【殖】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うまわる(殖)」の連用形名詞化 ) 生まれふえること。繁殖すること。
    1. [初出の実例]「伯孫、女、児(をのこご)(ウマハリ)せりと聞きて」(出典:日本書紀(720)雄略九年七月(前田本訓))

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普及版 字通 「殖」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] ショク
[字訓] くさる・ふえる・しげる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は直(ちよく)。直に植・埴(しよく)の声がある。〔説文〕四下に「脂膏(しかう)久しうして殖(くさ)るなり」と腐殖の意とする。歹(がつ)は、残骨の象。動物性のものは、腐殖すると肥料としての効能が高く、そこからものの滋生増殖することをいう。

[訓義]
1. くさる、ふやける。
2. しげる、そだつ、ふえる、ふやす。
3. 蒔と通じ、うえる。
4. 植と通じ、たてる。
5. 直と通じ、ただしい。

[古辞書の訓]
名義抄〕殖 ウウ・タネ・タツ 〔字鏡集〕殖 タネ・オフ・ウウ・オホス

[語系]
殖・植zjikは同声。(蒔)zjiは声義近く、改めて別に植えなおすことをという。子・(滋)・tzi、字・dziなどもみな滋生の意があり、一系の語とみてよい。

[熟語]
殖貨殖穀・殖財・殖産・殖私殖種殖殖殖成殖物・殖民殖利
[下接語]
貨殖・学殖・芸殖・耕殖・墾殖・滋殖・生殖・増殖・拓殖・農殖・播殖・殖・富殖・封殖・豊殖・養殖・利殖

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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