殺風景(読み)サップウケイ

デジタル大辞泉 「殺風景」の意味・読み・例文・類語

さっ‐ぷうけい【殺風景】

[名・形動]《「殺」は、けずる、そぐ意》
眺めに情趣が欠けていたり単調だったりして、見る者を楽しませないこと。また、そのさま。「殺風景な冬の浜辺」「殺風景高速道路
おもしろみも飾りけもなく、興ざめがすること。また、そのさま。無風流。「殺風景話題」「殺風景な人」
[類語]荒涼寂しい寂寥せきりょう寂寞せきばく索莫さくばく落莫らくばく蕭然しょうぜん蕭蕭しょうしょう蕭条しょうじょう蕭殺しょうさつ寥寥りょうりょう寂然じゃくねん・せきぜん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「殺風景」の意味・読み・例文・類語

さっ‐ぷうけい【殺風景】

〘名〙 (形動) (風景をそこなう意)
① 自然の風致に乏しいこと。景色や風景に変化がなく趣がないさま。
※空華集(1359‐68頃)三・雪朝歩帰途中作「自笑老来殺風景、工夫終不吟懐
※新聞雑誌‐四六号・明治五年(1872)五月「鉄道電線等の壮観を汚して殺風景(サッフウケイ)のみならず」 〔蘇軾‐次韻林子中春日新隄書事見寄詩〕
② 人に風雅の趣が欠けていること。なんの飾り気もおもしろみもないさま。また、興ざめなさま。無風流。無趣味。
日葡辞書(1603‐04)「Sappǔqeina(サップウケイナ) ヒト」
※滑稽本・浮世床(1813‐23)二「上郎買の座敷で米が安いの薪が高直のといふに斉しく、はなはだ殺風景(サップウケイ)だ」
③ 興趣をそぐさま。陰気でさびしいこと。
蔭凉軒日録‐文明一九年(1487)二月一六日「愚云。庭梅今明盛開。可諸老之一覧之志耳。聊草盤之外無余之煩費。実殺風景也」
俳諧去来抄(1702‐04)同門評「是、殺風景也。山寺といひ秋夕と云、晩鐘と云、さびしき事の頂上也」

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