毛鉱(読み)もうこう(その他表記)jamesonite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「毛鉱」の意味・わかりやすい解説

毛鉱
もうこう
jamesonite

少量の鉄を含む鉛の硫塩鉱物ジェームソン鉱ともいう。低~中温熱水鉱床、接触交代鉱床スカルン型鉱床)、ときに含銅硫化鉄鉱床中に産し、比較的晩期の生成物として複雑な硫化物からなる鉱石中に出現する。自形は細柱状で、多くは毛状。表面が錆(さ)びると虹(にじ)色になる。埼玉県秩父(ちちぶ)鉱山閉山)ではかなり多量に産した。英名スコットランド鉱物学者ジェームソンRobert Jameson(1774―1854)にちなむ。

加藤 昭 2018年10月19日]


毛鉱(データノート)
もうこうでーたのーと

毛鉱
 英名    jamesonite
 化学式   Pb4FeSb6S14
 少量成分  Mn,Ag,Bi,Cl
 結晶系   単斜
 硬度    2.5
 比重    5.76
 色     灰黒
 光沢    金属
 条痕    灰黒
 劈開    一方向に良好
       (「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「毛鉱」の意味・わかりやすい解説

毛鉱
もうこう
jamesonite; brittle feather ore

Pb4FeSb6S14 で表わされる単斜晶系の鉱物。硫安鉛鉱ともいう。金属光沢で灰黒色を呈する。毛状,繊維状,針状の結晶。比重 5.63,硬度 2.5。中・低温熱水鉱床中に産出する。

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