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気象レーダー きしょうれーだーweather radar

知恵蔵の解説

気象レーダー

大気中の雨・雪などを観測するレーダー波長数cm〜10cmのマイクロ波を発射して、雨滴雪片からの反射(エコー)を受信し雨雲などの位置、動き、強さを測る。現在全国20カ所のレーダーでのネット観測や主要空港などで観測。特殊なものに次のものがある。(1)ウインドプロファイラは、1.3GHz(ギガヘルツ)の電波を発射して大気から散乱・反射された電波の周波数の違いから、上空約5kmまでの風向・風速を連続的に測る。局地的気象監視システム(WINDAS)と呼び、全国31カ所で観測。これを大型にし、赤道域の上層風を測るのが赤道大気レーダー(インドネシア・スマトラ島)。(2)ドップラーレーダーは、降水粒子の移動方向と速さに応じて、粒子から反射された電波の周波数が変化する現象(ドップラー効果)を利用し、上空の風を立体的に観測。航空機の離着陸事故の原因となるダウンバースト(積乱雲から生じる強い下降気流)、集中豪雨などを監視する。気象庁は1994年から順次主要8空港のドップラー化を進め、2006年3月の東京レーダー(柏市の気象大学校構内)設置など、さらなるドップラーレーダー化を進めている。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

きしょう‐レーダー〔キシヤウ‐〕【気象レーダー】

雲の位置・雨域・雨の強さなどを調べる気象観測用のレーダー。波長3~10センチ程度のマイクロ波を発射し、雨滴などによる反射波を受信して測定する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

気象レーダー【きしょうレーダー】

レーダーによれば,雨滴,雪,あられ,雪片,雲粒など波長と同程度,あるいはそれより小さい粒子の集合を検出できる。気象レーダーは波長3〜10cm程度のパルス電波を毎秒200〜500回発射し,雨滴などによる反射波を受信して,降水域の場所,降水強度を測定する。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

きしょうレーダー【気象レーダー】

電波を発射して、雨や雪などの降水粒子から反射された電波を受信して、降水粒子の方位・距離・量を測定する機器。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

気象レーダー
きしょうれーだー

雨や雪などの気象目標をうまく探知する性能を備えたレーダー。発射された電波が降雨域内の水滴などに当たると散乱され、一部分はエコーとしてもとの方向に戻る。これを測定して、目標の位置や広がり、また散乱の強さを求める。短い波長の電波は雨によって減衰を受け、波長が長すぎるとエコーが弱くなる。そこで、普通3センチメートルから10センチメートルの範囲のマイクロ波が用いられる。1~2マイクロ秒くらいの短くて強い電力のパルス電波が、毎秒数百回の繰り返しで、円形のパラボラアンテナから細いビームになって発射される。ビームは、たとえば100キロメートルの距離では、直径2キロメートル、奥行1キロメートルくらいの空間を照らし出し、そこに水滴があると、滴の直径の6乗に比例した強さのエコーを、アンテナに送り返す。ビームが水平面をスイープするようにアンテナを回転すると、エコーは、ブラウン管の中心をレーダー設置点とする半径数百キロメートルの円形地図のように写し出される。この表示型式を、PPI(Plane Position Indicatorの略)という。アンテナをある方向に固定して高度角を上下し、アンテナ方向の垂直断面を距離と高さの直角座標で示すRHI(Range Height Indicatorの略)表示も、よく用いられる。日常ブラウン管に現れる雨や雪のエコーのほか、雷雨による高くて強いエコー、竜巻を示すフックエコー、豪雨の際の渦巻エコー、台風の螺旋(らせん)エコーなど特殊な形をしたもの、空気密度の違いで生じるエンゼルエコー、海面の波浪によるシークラッター、そのほかにもいろいろの種類がある。近年、観測の障害になる地形エコーを除去する技術が実用化され、エコーのコンピュータ処理がしやすくなった。雲や霧を探知するミリ波レーダー、ドップラー効果を使って降水粒子の動きを測るレーダー、あるいは音波や光線を利用するレーダーもつくられている。[篠原武次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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